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地方企業の人手不足対策(生産性向上)

世の中にはびこっているムダをなくせば、20%くらいは生産性が向上する

 都道府県ランキングで、福井の優位性を示す指標の一つに、「完全失業率」がある。総務省の労働力調査によると、2018年7~9月平均で、福井県は1.4%と3番目を示している(トップは三重県と石川県の1.3%)。ここまで低いと、完全に人手不足状態である。

 ではどうしたらいいか。
 まず、比較的失業率の高い(東京・大阪は3%近い)都会の人たちを地方に分散させるという案がある。国の政策で彼らには、数百万円の補助金を支給するという。
 だが都会で失業率が高いのは、地方の人が都会へ、いい仕事を探しに行くからだ。都会でも、ほんとにあぶれている人は少ない。安い仕事ならいくらでもある。手続きの面倒な補助金を使ってまで、賃金の安い地方に来る人は限られる。

 また(2月5日)に書いたように、有り余っている高齢者を有効活用するのもいい。
 それでも高齢者は、ある程度いざというときのため「じじいの決死隊」して温存しておく必要がある。それに、小手先を繕うだけでは根本的解決にはならない。

 したがって、人手不足解消の本家本元は、生産性を向上させる「少人化」でなければならない。「生産性向上」である。世の中に生産性の高い会社が残れば、必然的に人手不足は解消される。賃金も上昇する。
 その「生産性向上」を促すのが、プレッシャーである。ある程度のストレスがなければ、人は考えることを怠り、安楽に流れる。安易に外人労働者に頼るのは愚の骨頂である。

              さばえものづくり2018 H30.10.27

 そのストレスのひとつが、企業における外注工程の「内製化」である。
 工程を外部に発注する理由は、①自社内で行うより外注の方が低コスト、②技術的に自社ではできない、③工程能力不足(人手不足)でできない、などである。

 このなかで、「①外注の方が低コスト」には問題があることが多い。
 もし、外注先の低コストが人件費の違いだけなら、外注先の企業はますます低賃金の社員ばかりになる。それではまわりまわって、自分の首を絞める。
 そのうえ外注を行うときは、直接の支払い以外に、つぎのような見えないコストが発生している。

①払い出し、受け入れコスト
 数量・品質チェック、梱包、伝票作成など、払い出しと受入時には、相当な手間とコストを要する。
②配送コスト
 運搬のための荷役車両やスペース、積み下ろし人員の確保を含めた運搬コストがかかる。
③生産リードタイムが長くなる
 払い出し前と受け入れ時には、運搬のために仕掛品が溜まる。仕掛品の量は生産リードタイムに比例する。
④管理、コミュニュケーションコスト
 担当者を決め、頻繁に外注先とのコミュニュケーションをとる必要がある。
⑤不良発生コスト
 外注先を含めた仕掛品が増えていくと品質異常の発見が遅れ、不良対策に大きなコストが発生する。さらに一般には、取引する段階が増えるほど、過剰品質に陥り歩留まりが激減する。
⑥ヌシの増殖
 外部との調整を一括して人っている外注担当者は、大ヌシの尊になることが多い。
 それでなくても外注担当者は、外注が内作に代われば、自らの権威を示す場が無くなる。だから必死に抵抗する。
⑦ナマケモノの増殖
 工場内の作業者も、余計な仕事を増やしたくない。経営者といえども同じである。だから、いったん外注に出した仕事は、いつまでも続く。変えたくない、変わりたくないのである。


 現実に多かれ少なかれ、多くの工場でこのようなムダが発生している。
 思い切って内製化し、世の中にはびこっているこのコストをなくせば、全体の2%くらい生産性は向上する。その一つの手法がM&Aである。どの程度の規模が適正か、試行錯誤で決めるしかない。
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