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不適切動画

 企業はこの新たなリスクを管理し、われわれはある程度の穢れを許す

 このところ、ネット上に不適切動画といわれるSNS投稿がつぎつぎと現れ、問題になっている。くら寿司、すき家、セブン-イレブン、ファミリーマート、ビッグエコーなど。つい最近は、定食チェーン「大戸屋」で、ズボンを脱いで顔を隠した男が、くねくね踊りを披露している。4~5年前は静止画だったのが、いまは動画になって、ますますリアリティに富むようになった。

 内容は、氷を床に投げつけ、調理用のお玉を股間に当てる。コンビニの店員は商品のおでんを箸で食べながらはしゃぎ、別の店では舐めた商品をレジ袋に入れる。寿司チェーンでは、わざとゴミ箱に捨てた魚をまな板に戻す。汚らしいと言えば、汚らしい。
 以前中国で、肉が床に落ちたのをかまわず、そのままハンバーグの材料にしたことで、マクドナルドが窮地に陥ったことがあった。また一流ホテルの清掃者が、トイレを拭いたぞうきんでコップを拭くなどの動画が拡散されたこともあった。

 日本もようやく中国に追い付いた。中国で簡単にSNS拡散ができるようになると、それこそパニックになるであろう。
 お客を対象とする企業経営だから、イメージの低下ははかり知れない。すべての企業は、この新たなリスク管理する必要がある。

                赤ふん

 しかしわれわれ一般市民は、破廉恥動画でそれほど目くじらを立てることはないと思う。拡散したから大げさになるだけで、どこでもありそうなことばかりである。わずかの穢れなど気にしていたら、食事などできない。
 飲食店では、多かれ少なかれ調理する人の体液が入り込む。潔癖症の人は、汗と唾にまみれた手打ちそばや、寿司屋でじじいのこねくり回した握りなんかとても食べられない。あるいは灼熱の酒蔵で、上半身裸の名人杜氏が米麹の出来具合を確かめるため、ボロボロと口に含む映像のほうが、よほど汚らしい。他人のケツを洗った温泉の大浴槽に、いい気持ちで浸かる人の気がしれない。顔を洗う人さえいる。

 それがここまで大げさになるのは、スマホが普及し、誰でも簡単に動画を拡散することができるようになったからである。ブログを書くより、動画のほうがはるかに簡単である。簡単だから、誰でも同じことをやる。アメリカで銃による殺人が無くならないのと同じである。

 批判する人は、何でも批判したい(このブログも同じ)。アメリカの歌手が指に「七輪」とタトゥしたのを批判する人もいた。おかげで歌姫はすっかり日本嫌いになったという。それすら批判する人は、飲食店の悪ふざけなら堂々と批判できる。
 不適切動画の頻発は、人間の「承認欲求」だという。それなら、なんでも批判したくていられない人も、「承認欲求」の塊なのである。


 ではどうするか。
 ほんとに「不適切動画」をなくそうと思ったら、中国のように、SNSを自由に使えなくするしかない。銃規制によって銃殺人をなくすのと同じである。あるいは、同じような動画をどんどん流す。バカッターコンクールを行う。同じようなものが毎日1万本もでてくれば、批判するほうも疲れる。ニュース価値がなくなり、「不適切動画」が問題視されなくなる。

 そもそも世の中は、ある程度の穢れを許すことで成り立っている。
 それが嫌な潔癖症の人は、たった一人で「無菌室」に入るだけである。
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