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昆虫はすごい

 ゴキブリは人類最後の栄養豊富な食料として重要な昆虫になる

 昆虫の種類数は数百万種ともいわれ、地球の全生物の半数以上を占める。丸山宗利氏(九州大)の著書「昆虫はすごい」は、その地球上で最大の勢力を誇る昆虫の不思議な生態を、実例を挙げて説明したものである。
 
 たとえば、植物との戦いである。多くの植物は、動物に食われないように毒素をもっている。毒の効かない相手には、間接的に嫌がらせをする植物もある。モンシロチョウがキャベツを食べると、寄生蜂をおびき寄せる物質を体から発散させてしまう。寄生蜂が体内に入ったモンシロチョウは悶絶する。

 またカマキリのメスは、オスの頭を食べながら交尾することはよく知られている。そこで、自分が食べられるのを嫌うオドリバエのオスは、メスに別の種のハエを食物として贈呈する。メスがそれを食べている隙を狙い、やおら交尾に至るのである。

 また社会生活を営むアリやハチの巣にちゃっかり居座ってしまい、巣に蓄えてあるエサをおいしくいただく昆虫が、かなりの種類いるらしい。あろうとことか、アリやハチの幼虫まで食べてしまうのだという。アリは目が見えないため、臭いをつけていれば姿かたちが異なっていても、気づかれることがないからである。
 もちろん天罰は下る。いったん住民であるアリに見破られたら最後、よってたかって嬲り殺しにされる。

 昆虫に限らず生物の生き様は、食べることと繁殖することである。その2つに尽きる。この本ではその生々しい実態を、具体例を挙げつぎからつぎへと記述している。

                イッチーノ

 そしてこれら昆虫の特徴は、変態と飛翔である。いずれも生活環境を変えることになり、多様性をもたらしてきた。そしてどちらも食べること、及び出会いの機会を増やすことに貢献する。つまり(昆虫に限らず)生物の生きる最大の目的は、自分に近い遺伝子を残すことである。体というのは単に遺伝子の乗り物にすぎない、という仮説には説得力がある。


 またある種の昆虫は、人間に害を与える。自身の毒素だけでなく、病原菌や原虫を媒介するからである。これまでに何度か、人類を壊滅に近い状態に追い込んだ。14世紀のヨーロッパでは、ノミ媒介のペストによって人口の半数が死に絶えた。いまでも熱帯地方では、カの媒介マラリアで毎年100万人単位の人が亡くなっている。またあらゆる吸血性の昆虫が、得体のしれない病気をもたらす。これらは数十年の潜伏期間を経て、心臓欠陥などでの死を招く。
 おそらくわれわれの何割か(ほとんど?)は、昆虫由来の得体のしれない病気を抱えているはずだ。その体内の病原菌を撲滅するためには、適量のアルコールと放射線照射が有効である。

 むしろ多くの人が忌み嫌うゴキブリは、刷り込みの被害者である。黄色い悲鳴をあげるからびっくりするだけで、ゴキブリは完全に人畜無害である。将来はゴキブリこそ、人類最後の食料として重要な昆虫になる。今のうちに各家庭で、大量養殖しておいたらどうか。
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