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原発新設の挫折

 家電企業のリストラが中国のIT覇権をもたらした2の舞を原発事業でも演じている

 日本の原発輸出計画が、つぎつぎ撤退に追い込まれている。つい先だっても、イギリスでの原発計画を進めていた日立製作所が、新設を断念したという。これで内外を含めて、国内企業が新しい原発をつくる計画が、すべて無くなってしまった。

 これについて昨日の福井新聞は、論説「原発輸出総崩れ 人材、技術どう維持するか」の中で、つぎのように述べている。

①日立の場合、出資を要請した電力会社が二の足を踏んだことが影響。「国民の理解が得られない」という理由。売電価格も英政府との溝が埋まらなかった。
②福島事故のあと、世界の原発市場が様変わりした。安全対策費の高騰や事故の際の賠償などを含めると、低コストとは言えない。
③脱原発の流れから太陽光や風力などの再生可能エネルギーへの移行が急速に進展している。ビジネスとしての原発は先細り。
④政府は原発輸出を成長戦略として掲げ、トップセールスを重ねてきた。ただ、国を挙げて一手に引き受けるという中国やロシアの手法には到底太刀打ちできない。安倍政権のシナリオは破綻した。
⑤電力関係者は「原子力産業が衰えれば、将来的には既存原発の運転に影響が出る可能性がある」と危機感を示す。
⑥原発新設が無くなれば、技術継承や人材育成が難しくなる。今後、どのように技術や人材を維持していくのか、再稼働や廃炉原発を多く抱える福井県民も不安である。
⑦稼働原発の安全確保、福島第一や既存原発の廃炉、使用済み燃料処理など、原子力を取り巻く課題は山積み。国民的な議論を避け続ける政府でいいはずがない。

                怒り心頭

 いまさら、いったいどの口で、こんなわざとらしいことを言っているのか。
 言われなくとも、「原発の人材、技術」はどんどん流出している。もちろん流出先は、中国の原発産業である。それを受けて中国は、新しい原発の開発を続けている。そのせいで中国は、原発どころか高速増殖炉でも、世界のトップランナーとして君臨している。

 そして、日本の原発産業と原発技術者のモチベーションを徹底的に叩いてきたのが、福井新聞を含めた日本中のマスメディアではないか。おかげで日本中の人々が原発アレルギーに罹り、必要以上の放射線恐怖から、原発を避けるようになってしまった。そのため、安全対策に膨大なコストを費やすことになったのである。



 本ブログで繰り返し述べているように、原発を放棄した日本に未来はない。福島の事故があったらやめるのでなく、この失敗を糧に原子力開発は、積極的に進めていくべきである。原発の費用はほとんどが日本国内に落ちるため、コストが膨らめば膨らむほど、国民に富と雇用が生まれる。したがって原発のリスクは、無制限に政府がとってかまわない。むしろとるべきである。

 さらに太陽光をはじめとした、金食い虫の再生エネこそが、環境破壊の元凶であることが、その普及とともに明らかになってきた。FITでは、毎年3兆円以上が国民負担となり、これからまた増えていく。消費増税より重い。
 いまこそ科学的な事実関係を根拠に、国民的議論を起こすべきである。
 そのときマスメディアは、(中国の工作員を排除し)いたずらに原発・放射線の恐怖を植え付けることは、絶対避けねばならない。サル並みの知見で臆病な国民を扇動したら、まとまるものもまとまらない。

                ブラックホール h30.4.21

 かって「失われた10年」のとき、大手の家電メーカーがつぎつぎと大量リストラを行ったことがある。1社当たり数万人。トータル10万人単位の中堅社員が失われた。その結果、優秀な技術者たちが中国の家電メーカーに移り、中国のIT覇権を許すことになった。電子技術は安全保障にも関わる。おかげで日本は、経済面でも安全保障面でも完全に中国の後塵を拝すことになったのである。
 原発事業においても、確実にその轍を踏んでいる。
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