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稀勢の里引退

 これでは大相撲も歌舞伎のような無形文化財保護の対象になってしまう

 連敗の続いていた稀勢の里が、ようやく引退を決意した。見るに堪えない相撲が続いていたので、国民の多くはほっとしたのではないか。このままずるずるいったら、本人だけでなく日本中がおかしくなる。逃げない横綱も潮時がある。

 ちょうど2年前、久々の日本人横綱稀勢の里が誕生した。絶対横綱の白鵬にも、地力ではひけをとらなかった。もろいところもあったが、土俵際の粘り腰は見ごたえがあった。惜しいのは、連続優勝の絶頂期に、大けがをしたことである。さらに怪我を抱えた千秋楽の大逆転で日本中に感動を与え、その引き換えに取り返しのつかない弱点を背負ってしまった。結果論であるが、そのとき逃げていれば、こんな辞め方はなかったと思う。

              力士たち H29.5.04

 圧倒的なモンゴル勢の強さの中で、稀勢の里は10代のころから、日本人の期待を背負っていた。だが、18歳で幕内昇進してからが長かった。強い相撲を見せても、勝ち越しがせいぜいで、入幕から大関昇進まで5~6年。そこから横綱になるのがまた長かった。当時、土俵下で取り組みを待っている稀勢の里をみると、いつも強張った顔で目をしばたいていた。緊張でピリピリしているのが一目瞭然である。

 それがいつしか、土俵下の表情が変わってきた。土俵を見上げているとき、にこやかに緩んだ顔つきになった。周りを気味悪がらせたあげく、ほとんどの場所で優勝争いに絡むようになった。初めて優勝して横綱になったのは、その数年後である。あきらかにメンタル面で異変があった。
 残念ながら怪我をしたあと、土俵下の表情は昔に戻ってしまった。これでは勝てない。引退は時間の問題であった。


 競技人口が少なくても、大相撲は日本の国技である。典型的なお相撲キャラの稀勢の里は貴重な存在であった。もうこんな人はそうそう作れない。外国人力士に無制限開放したら、日本人力士はとても太刀打ちできない。大相撲も歌舞伎のような、無形文化財保護の対象になってしまうのだろうか。
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