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小学生のプロ棋士

 3才からやっていた人すべてが、タイトルをとれるわけではない

 小学4年生で9歳の仲邑菫さんが、囲碁の日本棋院でプロ棋士として採用された。菫さんは3歳のとき、アマ六段の母親からルールを学び、父の仲邑九段主宰の教室で、子供たちと一緒に勉強していたそうだ。こんどの採用にあたっては、張栩名人が試験対局をし、それを井山裕太九段や7大タイトル保持者などが審査したという。

 その菫さんは、今月6日に日本囲碁界の第一人者、井山裕太五冠と公開対局した。ハンディが少なく互角に近い「先番」で、終了時間に達して引き分けとなった。井山五冠は彼女の打ち方に舌を巻いていた。お世辞だと思うが、ほんとならすでに日本のトップレベルである(井山五冠がわざと引き分けにしたような気がする)。

 いま囲碁界で活躍している、趙治勲氏、林海峯氏、井山裕太氏は、いずれも11~12歳でプロ入りしている。将棋のタイトル保持者も、中学や高校からはじめた人はいない。囲碁や将棋の世界では、幼児期からの刷り込みが重要なのであろう。やることがはっきりしており、ちょうどいい複雑さなのだと思う。それに、日本で囲碁や将棋が廃れることはない。
             
              養浩館石畳 H29.4.05

 だが多くの分野では、「10で神童(15で才子)20過ぎればただの人」である。
 私の娘も2~3歳のころは、オセロゲームが上手く、私が本気で勝負しても勝てなかった。これは天才か、と思っていたら、そのうちオセロに飽き、パズルに飽き、ゲームに飽きて、いまは平凡な主婦におさまっている。口煩いのだけは残った。
 オセロなどの簡単なゲームは、底が浅すぎて幼児期からやっても、すぐ天井がつかえる。あるいは長丁場過ぎて、飽きてしまう。

 では数学や物理学はどうか。奥が深すぎて、一流になるには別な素質が必要なのであろう。
 もっとも、囲碁や将棋でも3才からやっていた人すべてが、タイトルをとれるわけではない。そのなかで根気と実力そして運のある人だけが上位にいく。頭脳蓄積と明晰になる2~30歳まで飽きず続けられるかどうか、その分野が廃れず残っているかどうか、そして自分より達者な人がどれくらいいるか。
 これらすべてかなえるのは、宝くじに当選するより難しい。
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