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官民ファンド

 辞任会見を聴いた限り、国がリスクを預けるのにふさわしい人だとは思えない

 高額報酬をめぐって経産省と揉めていた、産業革新投資機構(JIC)の田中社長をはじめ、民間出身の取締役9人が辞任するという。この「産業革新投資機構」は、95%政府出資の官民ファンドとして、9月に設立されたもので、原則として経産相の認可を受けたファンドを経由し出資を行う。投資会社などと連携し、成長分野のベンチャー企業の育成を目指していた。

 辞任したのは、報酬のことだけでなく、運用の仕方についての食い違いもあったらしい。管理組織である経産省側は、透明性を要求するのに対し、JICの方は束縛を受けたくない。報酬についても、最初約束した年棒1億円強は、あまりに高過ぎるとして反故になった。問題なのは、JICの前身である「産業革新機構」が2024年度末の解散時に、最大7億円を基準に成功報酬を支給することである。
 たしかに、いくらおかしな約束でも、反故にされた方はおもしろくない。

              腐敗の進行 H30.11.18

 しかし、いくらJICが成功し、投資先の会社が大儲けしたとしても、原資はあくまで税金である。逆に、投資先が破たんして投入資金が焦げ付いたとき、そのぶん役員が私財をはたいて補てんするわけではない。せいぜいゼロ報酬である。役員が借金漬けの路上生活者になるような、全面リスクは負わない。
 それに1億円の年棒といえば、3000万円の総理大臣、5000万円の米国大統領より、はるかに多い。会見で田中社長は、1円でも引き受けたと言っていたが、どう見ても嘘くさい。
 ほんとは、安い給料で働く人ほど偉いのである。

 ゴーン氏の逮捕で、外国人経営者の高額年棒が注目を浴びている。プロ選手の年棒が高騰していくように、高額報酬の上限はきりがない。1億円といえば、そこそこのサラリーマン年収の20倍である。10億円なら200倍。彼ら高額所得者は、われわれより能力が高いかもしれないが、いくらなんでも20~200倍も優れているとは思えない。単に強欲なだけである。法的には正当な所得だとしても、怨念のわら人形に祟られ、まともな死に方はできないだろう。
 

 そもそも、官民ファンドとは何か。補助金と異なるのは、投資先からのリターンが国に入る可能性があることである。かなり有意性が入るし、かえって民間の邪魔をしている。彼らが本当にベンチャー企業を育成できる「伯楽」なら、民間で自らリスクをとってやるべきである。
 辞任会見を聴いた限りでは(過去の実績はともかく)、口先だけうまく、国がリスクを預けるのにふさわしい人だとはとても思えなかった。国がリスクを取るのは、まず核エネルギーでなければならない。
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