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7兆円の買収

 製薬事業者が伸びていく社会は、人々が食い物にされる悪夢の世界である

 武田薬品がアイルランドの製薬会社を7兆円で買収する計画が、今日の臨時株主総会で決定されそうだ。武田創業者たちが反対していたにかかわらず、株主の大勢を占める外国人株主の賛成で押し切られそうな気配である。彼らはどうしても短期的利益を追求する。

 買収先のシャイヤーの売上高は、武田薬品とほぼ同じで、合計で3兆円の売上げ規模となる。欧米の製薬会社は、他民族に対する人権意識が低いため、新薬開発の治験(人体実験)をしやすく収益性が高い。そのせいかシャイヤーの営業利益は、武田の3倍の4500億円/年もある。武田と合わせると6000億円。新会社の営業利益率は20%である。さらに買収による相乗効果を期待しているのだろう。現状のままでも、7兆円の買収額でも10~15年もすれば回収できる。

                金が飛んでいく

 しかし不安もある。この巨額買収が成功するかどうかは、博打である。買収先のシャイヤーは、6割以上アメリカ市場に依存している。金に糸目をつけないアメリカの金持ち相手に、ぼろ儲けしている。しかも売り上げの1/4が、血友病の薬である。間の悪いことに、まもなく業界最大手の強力な競合品が投入されるという。一気に業績ダウンする恐れがある。シャイヤー側は、将来不安を感じたからこそ買収に応じたのであろう。しかも破格の金額である。

 一般に、M&Aによる買収金額は、多くて営業利益5年分+有形・無形資産とされる。今回の場合もせいぜい3兆円程度ではないか。(経営内容みな把握しているわけではないが)7兆円はいくらなんでも多すぎる。 こんどの水道法改正による欧米資本の流入懸念や、日産・ルノーの争いなど、これまで蓄えた日本の富が、いつの間にか欧米に吸い取られていく気配が漂っている。

              地獄の風景

 それ以前に、先進国民の寿命の伸びが頭打ちになるにつれ、今後は製薬事業者の収益性が悪くなっていく。これは自然の成り行きである。製薬会社に限らず、医療業界の収益が増えていくのは、世の中にとっていいことではない。健康なら払わなくていい医療費を負担するのは、われわれユーザーである。

 これから開発する新薬といっても、劇的に効果があるわけではない。里見医師が散々述べていたように、よくわからない薬に年間数千万円遣っている時代がいつまでも続くとは思えない。製薬会社が儲けるということは、病人が食い物になっていることである。
 何ごとも過ぎたるは及ばざるがごとし。製薬事業が伸びていく未来社会は、悪魔が支配する世界である。
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