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本物の9条改正案

 やたらと理想論を振り回し、せっかくの機会をフイにしてしまったら元も子もない

 少し古いが、9月28日フジTVプライムニュースの、憲法9条に関して、井上達夫氏(東大教授)と伊勢崎賢治氏(東京外大教授)の対談である。彼らは少なくとも自衛隊を戦力とみており、9条の矛盾を感じている。またアメリカとの同盟関係の重要性も認識している。憲法に関しては頑固な「護憲派」でなく、現実を見据えた知見を有している。もともとだれがどう見ても、2項の存在は、大きな矛盾であった。

 まず井上氏の提案は、9条そのものを削除することである。憲法98条には、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と定められており、9条がなくても、日本が締結した国連憲章が充分その役割を果たすのだという。

 伊勢崎氏は、9条2項を廃止して個別の自衛権だけ認め、日本領土に攻撃を受けた場合のみ迎撃するのだという。いまの9条2項は、国際法違反になるらしい。また9条2項の英文「その他の戦力=Potenntial」は、国際社会に対して詐欺になるという。
 さらに、交戦権は権利ではなく義務であって、「交戦権はこれを認めない」という規定そのものが矛盾しているため、9条2項こそが戦争犯罪を呼び込むのだそうだ。なんとも、ここまで来るとわけがわからない。

                ダルマ石

 しかし伊勢崎氏の言う、「日本領土内のみ迎撃する、敵基地攻撃はしない」というのは、抑止力になると思えない。いまや、一瞬にして攻撃は完了する。領土内にミサイルが入ってから反撃しても意味がないのは明らかである。さらに現代の戦争は、ドンパチの前にサーバーや宇宙空間での優位性が、勝敗を決定づける。
 それでも、現行の憲法より100倍ましである。

 また井上氏は自衛隊を認めたうえで、戦力統制規範として、「文民統制、国会承認、軍事司法制度」を確立すべきと唱える。これは当然の規定であり、ここまでできればいうことはない。

 そして彼らの論理では、総理の提案である、「2項を残して3項を追記し自衛隊」を認めることはありえない。井上氏は、理論上総理の提案で国民投票などできるはずがないとまで言う。

 だがそれで、ほんとに9条改正できるのならいい。いまのままダメなら、わずかでも変えたほうがいいのではないか。ルールは、変えることに意義がある。やたらと理想論を振り回し、せっかくの機会をフイにしてしまったら元も子もない。このままでは、このあと100年は憲法改正ができない。それで日本はおしまいである。

 そもそも、条件反射的に9条改正に反対するのが、多くのメディアであった、これが最大の元凶なのである。
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