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観光産業と新幹線

 いずれ日本の首都は一乗谷あたりに移転され、福井は再び日本の中心になる

 先日、福井県中小企業診断士協会のシンポジウム研修で、3件の発表を聴いた。
 最初は「大野市への提案『観光の産業化』に向けて」と題し、大野市観光の現状分析から、解決への具体的提案までの発表である。飛騨高山との比較から、大野に足りないものを探し、新たな活動に結びつけようとしていた。その内容は、「飛騨高山との連携」というコバンザメ戦略をベースに、「コース看板設置」、「足水設置」、「飲食・雑貨店進出」などの施設・環境整備を行おうとするものである。行政と事業者、それぞれの役割を提案している。

 2件目は、福井のブータンともいわれる池田町である。毎年行われている「食の文化祭」参加者150人のアンケートから、池田町の観光活性化へのヒントを見つけようとしていた。アンケートでは、30代までと40歳以上の年代とでは食材に対する好みが明確に分かれており、若い人はスイーツやパン、高齢になるほど田舎料理を好む(アンケートでなくてもわかるような気がするが)。気になったのは、すべての年代に合わせようとしていることで、池田町にそれだけの人的資源があるかどうか。

 3件目は、北陸新幹線の敦賀延長に合わせ、まちづくりを計画している敦賀市の取り組みを紹介していた。歴史遺産を強調した観光交流センターや駐車場の整備など、おもに都市計画に関する内容である。ユダヤ人救済の「人道の港」は親切の押し売りのような気がするが、このまちには数多くの歴史遺産がある。歴史全体をつなげた物語ができると素晴らしい観光資源になる。
 ただこの発表は、予定時間を30分近くオーバーした。いくら高級な料理でも、食べ過ぎるとおいしくなくなる。

              夜の敦賀メイン通り H29.12.19

 いずれの場合も、魅力ある観光都市となるには、観光客に喜ばれる飲食店が足らないと指摘していた。たしかに観光客にとって、その土地で何を食べるかが、最大の関心事になる。飲食店がなければ、お金を遣うところも少なくなり、産業化も難しい。観光客が一番お金を遣う、ナイトタイムエコノミーを充実させる必要もある。人間の本質に迫る「官能都市構想」も考慮したい。
 ただ現時点でそれほど観光客がいないまちに、あらたに飲食店や宿泊施設を起業するのはリスクが大きい。経営コンサルタントとしては、単純に事業主に飲食店の出店を提言することはできない。バランスの良い出店が必要である。観光客が増えたら、こんどは観光公害の問題が発生する。

 そして新幹線である。金沢から敦賀まで通ったとしても、県内にどれほど集客効果があるか疑問である。1~2年は観光客が増えても、どれだけ続くかわからない。

 さらに新幹線が、敦賀から先どこを通るかも大問題である。
 おそらく、今後10~20年は決まらないのではないか。決めない方が楽である。その間に必ず南海トラフ地震が起こり、関西方面は壊滅状態となる。日本の背骨を通る新幹線が関西に集中するリスクを考えたら、北陸新幹線は小浜・舞鶴から鳥取・島根を通って、九州へ抜けたほうがいいと、世間が思うようになるに違いない。
 そのとき日本の首都は、福井の一乗谷あたりに移転される可能性がある。再び福井が、日本の中心都市に生まれ変わるのである。
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