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原発再稼働世論調査の欺瞞(7月16日)

 このようなアンケート調査は信用できない。原発のように、大事故の生々しい記憶が残っているものは、論理的に答えることは不可能
 
 マスコミはひっきりなしに、多くのアンケートをとり、世論調査を行っている。しかし、これは信用できない場合が多い。ほとんどの場合、アンケートそのものが、いろんな形で誘導的であるからである。(質問の内容や方法に問題、限定された選択肢、背景の説明がないなど)
 私自身も、趨勢や傾向を見る以外、この類のアンケート調査は、全く信用しないことにしている。

 たとえば15日の福井新聞に、共同通信社の「参院選トレンド調査」の結果が掲載された。そこには、大きく「原発再稼働反対50%」という数字が踊っていた。(もっともこの項目は、この調査で初めて盛り込んだもので、「トレンド調査」ではないのだが)
 記事によると、「政府が『安全性は確認された』とした原発の再稼働について」のアンケート、とあり、賛成が40.0%、反対が50.6%とあった。

 このような、複雑な課題での単純すぎる設問こそ、大きなウソを導くのである。そもそもこれだけの質問では、次のようなことを、ほんの少しも考える余地がない。

(1)『安全性は確認された』原発に対しても、再稼働を反対している人は、
 ①ほんとに安全でも反対なのか、それとも政府を信用していないのか
 ②安全の意味。いったい何を危険だと思っているのか。放射能なのか、爆発なのか、経済破たんなのか、大気汚染なのか、廃棄物なのか
 ③純粋に健康・医学面での考察なのか、反権力・反政府の政治的思惑なのか

(2)原発再稼働なしのデメリットと比較しているのかどうか
 ①電力料金の高騰(20%以上)→産業空洞化→自殺者増大
 ②化石燃料の高騰、輸入増大による日本の財政赤字増大→財政破たん→平均寿命低下
 ③化石燃料発電による大気汚染。(WHO報告、毎年世界で200万人死亡。日本で数万人)
 ④化石燃料発電によるCO2増大→温暖化、異常気象、災害増大、災害死者増加
 ⑤原発技術者の枯渇による、原発の撤退不能、放射性廃棄物の放置
 ⑥太陽光発電、風力発電による自然環境破壊
 ⑦原子力協定違反国としての不利益、プルトニウムの処理
 ⑧日本の国力低下による近隣諸国からの侵略

(3)放射線の危険性についての認識
 ①低レベル放射線の危険性を、過大視していないか
 ②放射線の効果(ホルミニシス、がん治療、診断、殺菌、消毒、成長促進・・)をバカにしていないか
 ③『危険だから、考えない見ないようにする』でいいのか

(4)他のリスクと比較しているのか(どんなものも、ゼロリスクはありえない。原発事故による死亡リスクは大きめに見ても、以下のものよりはるかに小さい)
 ①これまで環境に放出された、膨大な化学物質、重金属、麻薬、タバコ、酒
 ②通常の食物、飲料水による発癌
 ③病原菌やウィルスによる病死
 ④噴火、水害、地震などの自然災害
 ⑤入浴事故、家庭内事故
 ⑥犯罪、喧嘩、いじめによる死亡
 ⑦交通事故、山岳・水難事故
 ⑧内乱、戦争に巻き込まれる
 ⑨巨大隕石(直系10㎞以上の衝突で地球生物は壊滅するため、予知できても公表されない)
 ⑩石炭、石油、シェールガス掘削時の死亡事故
 ⑪放射能に対する不安、ストレス
 ⑫大気汚染などの公害
 ⑬日常活動による活性酸素注入
 ⑭その他無数

  こう見ると、「原発再稼働のリスク」より、「原発を稼働しないリスク」のほうが、明らかに大きい。

 アンケートに答えた人のほとんどは、このような背景をまったく考慮せず、感覚的に答えたのであろう。そもそも、国民の多くにあの大事故の生々しい記憶が残っているうちは、論理的に答えることが不可能な設問なのである。
 
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