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銀行経営

 融資先がないなら、自ら融資先を作るのが銀行ビジネスの王道である

 銀行経営が窮地に立たされているという。今年の3月期決算では、銀行全体の6割以上49社が減益か赤字となった。最終損益合計は前期比8.4%減の9824億円と、2年連続のマイナスであった。来年3月期も52社が減益を見込んでいる。

 預金金利に1~2%上乗せして貸し出し、利ザヤで儲けるというビジネスモデルが成り立たなくなってきたからである。何しろ企業の内部留保が400兆円を超え、借りてくれる企業が少なくなった。日銀の大規模金融緩和による低金利の影響もあるが、預金金利が低いので貸出金利との差はむかしと大きく違うわけではない。

 これから景気が後退すれば不良債権が増えるし、逆に景気拡大が続けば企業の内部留保が増す。だから銀行不況は構造的となった。簡単には回復しない。裏技を使わない限り、すべての銀行が生き残ることは難しい。

 したがって、これからは銀行の人材が溢れてくる。日経によると、転職相談をしている行員が数千人、転職サイトに登録している銀行員は19%増と、他の業種に対して明らかに多い。現在、全国の銀行の職員数は約30万人、その他の金融機関を含めたらその倍はある。したがって、おそらく10万人単位での余剰人員を抱えている。

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 ではこれから、銀行はどうしたらいいのか。
 銀行などどうなってもいいが、そこには「優秀な」人たちが大勢いる。日本の活力を増すためには彼らを活用しない手はない。むしろ経済全体にとっては、チャンスである。
 銀行自身はどう考えているのか。今月共同通信が行った地銀66社へのアンケートでは、8割が「コンサル力強化」を収益拡大策としている。すなわち銀行は、融資する顧客を待つ姿勢から、顧客のビジネスモデルを提供する事業への転換をはかるのだという。

 だがそれでは弱いし信用できない。銀行のコンサルでは、企業でなく銀行のためのコンサルになる可能性が高い。つまり銀行は、企業の内部留保を失わせ、刹那的投機目的の借金体質に変貌させるコンサルをしかねない。バブルの再来である。


 そこでこの際踏み込んで、銀行員がそのビジネスモデルを直接手掛けてしまったらどうか。その舞台は腐るほどある。後継者不足で困っている事業所を買い取るのである。そのときは、これまでの出向とか余剰人員のはけ口でなく、いちばん優秀な人材を送る。優秀な人材を、銀行のような「虚業」に貼り付けておくのは国家的損失である。

 これまでの銀行ビジネスは、安全な優良企業や住宅ローンに傾注しがちであった。その手の顧客ほど利ザヤは薄い。高利の融資先がなくては行き詰る。それなら、その融資する顧客を自ら創造するのである(ドラッカー)。融資先を作るというビジネスモデルをつくるのは、何のことはない、銀行の王道に戻るだけである。
 政府が借金するより、企業が投資のために借金する方が、はるかに活力ある社会が生まれる。
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