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革新的サービスの革新性

 自社の強みや独自性をしっかり認識し高めていくことが肝心である

 いま、平成29年度補正予算による「ものづくり補助金」の2次公募が行われている。9月10日が申請の締め切りである。この補助金申請の事業レベルは、年々高くなっており、とくに今回の2次募集はきついと噂されている。

 この補助金は、基本的に企業の設備投資に対する支援である。趣旨は、「生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援」するものである。
 したがって、導入しようとする設備によって、その企業や業界に「革新的」な成果をもたらすことを計画しなければならない。

                妖怪変化

 したがって、その革新の程度が問題になる。申請したそれぞれの事業内容を比較し、革新程度が小さければ単なる改善だと見なされるし、ずば抜けて大きければ胡散臭く実現性が低いと思われる。

 では、どの程度の「革新性」が必要なのか。
 今回は「革新的サービス」の革新性について述べる(「ものづくり技術」については、前回述べた)。この「革新的サービス」は、おもに商業・サービス業に適用される。もちろん製造業でもいいが、「中小サービス事業者のための具体的手法」に、革新的に適合していなければならない。

 たとえば、つぎのような場合はどうか。
①理髪業界専用に開発された革新的な散髪機械を導入し、理髪店が散髪コストを下げる
②水産加工業者が最新鋭冷凍設備を導入し、冷凍商品を開発する
③特殊な設備を導入し、自社の技術を組み合わせて地震予知サービスをする

 このなかで①と②は、単に設備をつくったメーカーの技術に依存しているだけである。同業者が同じ設備を導入すれば、差別化にはならない。導入する設備が如何に高機能であるか、得々と記述している申請書がたくさんある。これでは単に設備メーカーの宣伝である。その企業独自の工夫が見受けられず、同業者と差をつけるには弱い。

 そこで①の場合なら、その機械技術を使った新しいサービスができないか考えてみる。たとえば髪を整える技術を活用して、異業種である盆栽の剪定サービスを行う。または高速散髪の機械に独自の工夫を加え、新しい髪型を形成するサービスを行う。独自の工夫で、毛がほとんどない人がふさふさに見える髪型ができれば、まちがいなく当事者である審査員にアピールできる。ペットあるいは動物園のライオンの毛づくろいに適用できるかもしれない。

 ②の場合は、その冷凍食品が革新的なものかどうかが問題となる。その地域にしかないもの、またはその企業独自の加工技術と組み合わせて、これまでニーズがあってもできなかったものなら、革新性があるとされるであろう。パッケージや売り方の工夫に独自性があってもいい。

 つまり、その高度な設備を活用して、もともと自社が得意としていた加工技術、あるいは独自の製品をブラッシュアップする。その段階で独自の工夫を盛り込み、業界内で卓越した技術や製品・サービスを生み出す。
 このことがしっかり計画に落とし込めれば、造詣のある審査員にはアピールできるはずである。

                  微妙なバランス

 逆にあまりに革新的すぎると実現性が危ぶまれる。③の例はやや大げさだが、これまで世の中になかった製品やサービスを生み出すなら、その実現性の裏付けをしっかりと証明する必要がある。そのことを申請書の中で説得できれば大きなポイントになるが、説得できなければ、単なるハッタリである。


 申請書を作成するということは、企業にとって経営戦略を策定することである。自社の強みを認識し、設備投資によってさらにその強みを伸ばしていく。これがものづくり補助金事業のコンセプトである。
 お金を貰いながら経営計画を立てることができる補助金制度は、きちんとした経営計画を立てるチャンスである。うまく活用したい。
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