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財政破たん論者の論旨

 経済専門家が「財政赤字は国家破たん」と大騒ぎするのは、眉に唾をつけて聞くべき

 最近また、財政再建論者の声が高まってきた、
 中央公論8月号で、小林慶一郎氏(慶応大教授)が「財政破綻という最悪の事態に備えを」というタイトルで、現役世代は将来世代のため消費増税などの緊縮財政を受けろと書いている。このまま赤字国債を発行し続けると財政が破たんする、という。

 では財政破たんとはどういうことか。
 小林氏によれば財政破たんとは、政府が国債を発行しても買われなくなり、政府すなわち日銀券(お金)の信用が無くなったときだという。お金の価値が減るとインフレになる。
 ただ、適度なインフレは望むところである。またある程度のインフレは、お金持ち高齢者の金融資産を目減りさせる反面、働くものの所得を増やす。悪いことではない。供給力さえあれば、ハイパーインフレにはならない。インフレで円が暴落しても、お金持ちが損するだけである。ヒマを持て余していた小金持ちのジジ・ババを労働市場に戻す効能もある。

 また小林氏は、政府の財政赤字以上に国民の金融資産が多くても、いずれ底をつくと言っている。新たに国債を発行できなくなるし、国民がお金を返せと言っても返せない。
 だが、いくらでも通貨を発行できるのが政府である。誰あろうそれを受け取るのは国民である。だから、国民が働いて助け合うことができる社会なら、政府の財政赤字はむしろ国民を豊かにする。こんないいことはない。
 それに国民がいっせいに、「政府は国債を返せ」などというはずがない。返してもらっても、そのお金はどうするのか。消費すればお金はだれかの懐に入るし、持っていてもまた国債を買うしかない。

 さらに小林氏は景気回復に関して現在消費が伸びないのは、政府の財政赤字で国民が財政破たんを懸念しているからだという。
 もしそれがほんとなら、小林氏のような破たん論者が、国民に対しさんざん将来不安を煽るからに他ならない。また将来円が暴落すると思っているなら、お金をもつより、いまのうちに車や家、土地などを積極的に購入するはずである。むしろ消費が伸びないとおかしい。
              タヌキの金玉
 またよく言われているのは、今後金利が上昇すれば、国債金利の支払いができなくなるということである。3%にもなれば、1000兆円なら30兆円もの国債金利の支払いとなる。
 だが実際に上昇した国債の金利を支払うのは、市場金利の上昇しただいぶ後である。金利が上がるということは、経済活動が活発になっているので、そのぶん税収も増える。そのときはもう国債発行はしなくていいはずである。そのうえ国債金利の支払いは、以前の低いときのままでいい。もっとも、高い金利を支払うことになっても、それをもらった人は投資できなければまた国債を買う

              金の成る木

 小林氏は、財政破たんを避けるために、「フューチャーデザイン」を推奨している。すなわち、将来世代のために現代世代が、重税を甘んじて受けるべきだという。

 だが現時点で、国債発行や赤字国債を縮小するための消費増税は、日本をデフレ経済へと逆戻りさせる。これは、いまお金を持っている人を優遇し、働く人の生活を苦しめる。 したがって、国民が働いて得る受け皿がある限り、赤字国債の発行はなにも問題ない。むしろ国債を発行した分経済成長ができ、実物資産と国民の金融資産も増えるのである。 
 20~30代の層に大盤ふるまいすれば、少子化もあっという間に解消する。


 そもそもどの専門家でも、自分の専門分野について、絶えず危機を煽っておくことで、自らの権威を高めようとしている。専門分野が危機でないと困るのである。したがってわれわれ国民は、経済の専門家が「財政赤字は国家破たん」、と大騒ぎするのを、眉にたっぷり唾をつけて聞かなければならない。
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