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ボランティア救出

 普通の人が同じことをやれば迷惑をかけるだけ。われわれは自分のできることをやればいい

 一昨日、山口県で行方不明になった2歳の男の子が、3日ぶりに見つかったことで、日本中が胸をなでおろした。78才のボランティア男性(尾畠春夫さん)が救出したという。早朝6時半ごろ、名前を叫びながら斜面を登っていたとき、幼児の声が聞こえ、岩の上に座っている理稀ちゃんを見つけたらしい。探し始めてから、20分ぐらいしか経っていなかったそうだ。

 なにも、警察や消防隊の160人体制での捜索がムダだったわけではない。この2日間の捜索があったからこそ、ポイントを絞ることができた。いくら経験豊富でも、最初から探していたら短時間ではわからない。警察も、脱走犯を探すのと同じくらいの人数(3000人)なら見つけたと思うが。
 また、理稀ちゃん祖父のへらへらしたインタビューを責めるコメントもあった。TVで見る限り、祖父はもともと、悲しい表情ができない顔の造作である。なにもいい加減な気持ちでインタビューを受けていたわけではないと思う。

 一方この件では、理稀ちゃんを見つけた尾畠春夫さんに、賞賛の声が集まっている。たった20分で発見したこともさることながら、これまで10年以上ボランティアで日本中の現場を駆け回ってきた、いままでマスコミに出なかったタイプである。まさに国民的ヒーロー、我々じじいのあるべき姿の見本である。
 彼は65歳で鮮魚店を辞め、残りの人生を社会にお返しさせてもらおうと、全国各地で車中泊しながらボランティア活動を行ってきたという。先月は、広島で水害に遭った家の泥掻きをして、前日に山口の理稀ちゃん行方不明事件を聞いて飛んできた。
 このかっこよさにあこがれ、多くの人が同じような活動を始めるのではないか。

              じじいのトイレ H29.9.10

 しかし、まともな道の無い山に単独で分け入って捜索するという、尾畠さんのようなことは、普通の人にできることではない。絶対に同じことをやってはいけない。

 尾畠さんの場合、つぎのような技量と実績があった。
 ①北ア単独縦走など高度な登山経験と知識、自己完結の生活技術
 ②毎朝8キロのランニングを欠かさない体力
 ③長年のボランティア実績にもとづく信頼される人柄
 この3つに加え、そのときの巡り合わせと運があって、はじめて「偉業」が達成できたのである。

 したがって、一般の普通の人がいきなり捜索しようとしても、かえって迷惑をかけるだけである。胡散臭さがられて誘拐犯人にされるか、自分が遭難してミイラ取りがミイラになる。われわれは、自分のできることをやればいいのである。まず第一に、自分と回りの人の生活である。

 もっとも高齢者が捜索に入って行方不明になったとしても、理稀ちゃんほど心配する人はいない。効率の悪い「じじいの決死隊」としてバカにされるだけである。
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