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産業革命以前の未来(AIの進展)

 医師、弁護士、税理士、通訳などの知的エリートこそが、AIに取って代わられる

 AIやブロックチェーンなど、世界ではこれまでとは次元の異なる技術革新が進展している。野口悠紀雄氏は、「産業革命以前の未来へ」という著書の中で、その実態と日本の置かれた状況を論じている。

①大航海時代のフロンティアはイギリスを中心とした欧州だが、大航海は鄭和も行っていた
②産業革命以降、アメリカでは垂直統合によって事業の拡大化が進められた
③その勝者は、鉄道王ビルド、鉄鋼王カーネギー、石油王ロックフェラー、自動車王フォードである。その業種は、現在の日本経済の中心産業でもある
④2017年の世界企業ランキングは、ウォルマート、フォルクスワーゲンなどの巨大企業が占める。成熟企業であるため、成長率は低い
⑤情報を扱うITは、ビジネスモデルの革新が大きな意味を持つ。通信における、電話、ラジオ~インタネット。電子計算における、大型コンピュータ~PC~スマホ
⑥このIT革命が、新しいフロンティアを生み出した
⑦その一つが垂直統合から水平統合である。PCの水平分業から、ソフトや部品に特化した世界企業へと発展していった
⑧現代の覇者は、アメリカのGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)。
⑨GAFAのつぎ、ユニコーン企業が台頭。ライドシェアリング、民泊シェリングなど。情報フロンティアには開拓の余地は大きい
⑩とくに、シェアリングエコノミーとフィンテック(情報金融)分野の革新では、規制産業と絡む場合が多い

            ペリー上陸碑 H30.7.17

⑪こんどは、これらAI(自動学習能力を持つコンピュータ)とブロックチェーン(電子的な情報を記録するしくみ)が、未来をつくる
⑫AIでは、パタン認識(音声や言葉の意味、図形を確定)、レコメンデーション(データを解析し個人の望むコンテンツを紹介)、映画や音楽のヒット予測、発明や創造(文章、絵画、音楽を製作)などが、進化の過程にある
⑬いずれシンギュラリティ(技術的特異点)を境に、コンピューターが自己発展する?
⑭ブロックチェーンの仮想通貨が確実なものになれば、GAFAのインタネット支配を転換する可能性がある
⑮スマートコントラクト(あらゆる契約、債権、知財など)はブロックチェーンで運営可能
⑯スマートコントラクトで取引できる資産をスマートプロパティと呼び、ブロックチェーンで運用すれば、煩雑な取引の手続きが不要になる
⑰AIやブロックチェーンによって、これまでの多くの職業が不要になる(掃除は残る?)
⑱中国の、百度、アリババなども、アメリカのGAFAに匹敵するようになった
⑲中国はとくにフィンテック(金融業務でのIT)、ブロックチェーンの躍進企業が多い
⑳日本はいまだに、垂直統合型企業と伝統産業分野を教える大学が力を持っている

 我々は、日本のような旧世界が没落したあと、その廃虚の上に立つという認識を持つべき。
 大まかには、「産業革命によって垂直統合化・集権化・組織化が進展したが、新しい経済の最先端は、それ以前の時代の分権的ビジネスモデルへと先祖帰りしつつある」(「はじめに」から)ということである。

              沈没寸前 H30.3.31

 これまでの野口悠紀雄氏の本を見ると、いかにも日本がすぐだめになるような書きぶりである。だがAI技術といっても、言葉が新しいだけで、技術的に昔からの電子計算機の延長である。その技術が、社会の隅々にまで浸透してきたため、既得権益を持つ層との間で軋轢が生まれてくる。これはどんな技術でも同じである。

 たとえば、今後AIに取って代わられようとしているのが、医師、弁護士、税理士、通訳などといった知的エリートである。作家や音楽家も同じである。そして清掃業務のように、これまで高度と見られなかった業務が、AIにとっては難しいのは面白い。考えてみれば、何がゴミか貴重品かなど、AIごときに判断できるわけがない(できるのは、思い切りのいい人間だけである)。
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