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環境セミナー2

 再エネの実情から考えると、事業としてこれから太陽光発電を始めるのは厳しい

 昨日「わかりやすく学ぶエネルギースクール」3回シリーズの2回目「再生可能エネルギーについて学ぶ」の講習会に参加した。講師は石川和男氏(元経産省)といつもの竹内純子氏である。竹内氏のはきはきしたわかりやすい声と、石川氏の「知らないことはない」という自信に満ちた話しぶりが対照的だった。

 ほぼ8割以上が既知の内容だったが、あらためて認識した点もいくつかあった。

①不可避・不可逆的な5D(人口減少・過疎化、脱炭素化、分散化、制度改革、デジタル化)をベースにエネルギービジョンを形成する。
②3.11後、日本で増えた発電は、天然ガスと石炭。水力を除く再エネはまだ7.8%(2016年)しかない
③世界の傾向も同じである。化石燃料の使用量の増え方の方がはるかに大きい
④2011年以降、原発停止による追加燃料分は、毎年約3兆円。ただ2015~2016年は原油安のため1.5兆円。
⑤先進国の2009→2015年の一人当たりCO2排出量は、日本だけ8.3→9.0㌧と上昇。

            環境セミナー H30.7.30

⑥スェーデン、フランス、ワシントン州のように、原子力や水力など安定ゼロエミ電源を持つ国ほどCO2排出量は少ない。
⑦ドイツは石炭火力発電が多く、再生エネが増えても脱炭素化ができない。電気代も高い
⑧FIT(固定価格買取)による賦課金は、毎年増大する。2030年度には賦課金総額3.6兆円になる。買取価格は4.7兆円。これは消費税2%に匹敵し、電力料金全体の15%~20%になる。原発停止分の原油輸入を含めたら、消費税5%分になる。
⑨その他、再生エネを導入するための追加コストが、1KWH当たり9円かかる。(バックアップ電源、送電線、配電装置など)
⑩さらに2032年から、使い古した太陽光パネルの廃棄物が年間80万㌧ずつ発生。有害物質も含まれるため、事業化に当たっては廃棄コストの算定も必要

 聴講した人は、再生エネ事業者や事業を計画している人が多いようだ。だが説明のあった再エネの実情から考えると、これから再エネ事業を始めるには厳しいと感じたのではないか。事業として成り立つかどうかは、リスクと採算計算の兼ね合いである(私のお客様には、お勧めしないが)。


 そしてやはり、原子力の選択肢は無くすべきではない。いまでも世界中で化石燃料の使用が増えているのは、どう考えても良いことではない。現実に少なくともここ100年の間、膨大な電力供給できる原子力を止めてしまったら、人類の未来はない。
 それでも原発推進者と思える石川氏でさえはっきり宣言しないのは、狂気の圧力を感じているからだろう。

 そこで以下のような文を、講習の主催者に提供した。読んで貰えるかどうかわからないが、原発立地住民としての意気を感じてもらえたらありがたい。


 原発推進への意識改革
 人々の琴線に触れるためには、感情をこめて訴えることのできる役者が必要
              
              妖しい花弁

原発推進への意識改革
 人々の琴線に触れるためには、感情をこめて訴えることのできる役者が必要です

 いま、原発再稼働に消極的にでも賛成する人は、反対者の半分しかいません。福島事故から6年経っても、ほとんど変わっていません。日本国民はもっと賢いはずなのに、なぜこんなことになってしまったのか。

 原発問題が、イデオロギーの手段になってしまったからです。中国など近隣国は、できるだけ日本を弱小国家にしておきたい。そのため、強力なエネルギー源である日本の原発を、停止させておくのが一番です。マスコミや「知識人」を使って人々の原発不安を煽り、潜在意識に深く刻み込ませる。中国得意の三戦(シャープパワーともいう)のひとつで、この術中に嵌り日本は追い込まれています。
                 ブラックホール h30.4.21          
 だがこの負け戦に甘んじていては、日本の未来はありません。印象操作には、それを超える印象操作でカバーするしかありません。やり方を変える必要があります。これまでは、このセミナーのように淡々と、事実・データを積み重ねるだけでした。これだけでは人々の心に響きません。人々が原発に反対するのは、漠然とした不安、センチメンタルです。宗教とおなじだから、反原発のデータしか信じません。

 したがって原発推進には、正確なデータ(根拠)とともに、人の琴線に触れるような論旨が必要です。お役人の理屈っぽい説明だけで、人の魂が揺さぶられることはありません。
 たとえば以下に挙げた内容(温暖化は省いてありますが重要です)について、感情をこめて訴える。それができるスターが必要です。講師の竹内純子氏のような人が適任だと思います。

①原発は世界人類を支えます
 現在、日本人一人の使っているエネルギーは、世界平均の10倍です。つまり近い将来、エネルギーに目覚めた90~100億もの人口を支えるには、全世界トータルでいまの10倍以上のエネルギーが必要です。そんなことができるのは、原子力・核エネルギーしかありません。

②脱原発は先進国のエゴに他なりません
 人口の半分も電気にアクセスできない途上国にとって、再生エネルギーなどと言う贅沢は望むべくもありません。再生エネルギーこそ、先進国の安心のため途上国に大きな犠牲を強いる、富の偏在化の最たるものです。
 また福島原発事故で狼狽した日本の、中東に支払った高額オイルマネーが、シリア内戦を拡大させ、何十万人も殺戮したことを、日本人は恥じるべきです。その金が北朝鮮に流れ、ミサイルとなって日本の首を絞めている可能性もあります。

③原子力推進の夢がなければ廃炉の人材も育ちません
 原発の撤退は、進めるよりはるかに難しい。このしんがりを務める人には、国の最高レベルの頭脳が求められます。それだけの人材を確保するには、少なくともあと100年、核燃料サイクルを含めた、核エネルギー推進の夢と、実現のための原資を与え続けなければなりません。

④人類生存のため、失敗のノウハウを活かすことが重要です
 福島の事故やもんじゅナトリウム漏れ事故は、めったにない貴重な経験でした。これこそ人類全体の宝です。悲惨な出来事と同時に得られた貴重な失敗ノウハウを、潰してしまう権利は断じてわれわれにはありません。逆に中国は、日本の失敗を見事に活かし、最新型の原発や高速増殖炉の実用化に成功しています。
 本来は、摺り合わせ技術に長けた日本人こそ、原発や核燃料サイクルの開発に、最も適しているはずです。

⑤放射性廃棄物は活用できます
 トイレのないマンションといわれる原発廃棄物は、一皮むけば重要な資源です。崩壊熱と放射線は、エネルギー源や殺菌、健康増進、及びガン治療に使えます。また原子崩壊後のさまざまな元素は、希少なレアメタルです。ゴミになるか資源にするかは、扱う人々の知恵次第です。

⑥人類が一度手に入れた技術は、決して無くなりません
 人間はこれまでも数々の失敗を繰り返しながら、文明を手に入れてきました。自然科学である原子力は、人間相手の勝ち負けと異なり、必ず制御できます。怖いから見ない、やらない、隠そうとするなら、サルと同じです。あるいは、富士川の戦いで水鳥の羽音に怯えて逃げ散った、平家の末路をイメージしてしまいます。
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