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教える難しさ

 人に教えるためには、その内容の10倍の知識量が必要である

 ある業種の企業内教育を、2日間コースで行って欲しいという要請を受けたことがある。私の専門分野だが、丁寧にお断りすることにした。その分野の経験と、体系的に人に教えることとはまったく異なる。まして集合教育の場合、そのための準備とスキルが必要である。誰もが幼稚園や小学校の教師になれるわけではない。


 私自身、まったく集合教育をしないわけではない。7~8年前まで、ISO9001・14001の監査員養成コースと称し、それぞれ2日間の講習を行っていた。また生産管理や5Sなど、ものづくり関連でも、一回1~3時間の講演を、公的機関や個別の企業向けに行っていた(これはいまもたまにある)。
 そのカリキュラムや教材をつくるのに、2日コースなら数週間以上、1~3時間のコースでも1週間程度の準備が必要である。さらに、講習のたびに内容を変え、新しい教材資料を作成する。だから、まったく新しい内容を教えるとなると、どれくらい時間がかかるかわからない。
              オーム返し
 そもそも教えることは難しい。具体的な質問があれば何とかなる。だが教育となると、テーマに関する森羅万象の情報を集める必要がある。それを理解しながら取捨選択し、重要なものからカリキュラムに入れていく。教えるためには、内容の10倍の知識量が必要である。
 これから仕事の柱とするならチャンスである。ものすごく勉強になって力が付く。だが一度だけではコストパフォーマンスがとてつもなく悪い。


 これは企業内教育でも同じである。ベテラン社員にいくら知見があっても、体系的に教えることはできていない。一方通行に終わってしまう。
 たとえば、企業内の技術伝達に作業標準書をつくることがある。これを誰がつくるのか。知識を持っているベテランではなく、すこし仕事を齧った程度の人につくらせるのがいい。これから仕事をする人が、必要なことをベテランに聞きながらつくる。そのほうが、わかりやすい標準書ができる。
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