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原発と新潟知事(7月12日)

 知事の言うように、とことん「検証・総括」を詰めていくなら、永久に物事は進まない。東電より新潟県庁内の組織風土のほうが心配である

 昨晩(11日)のフジテレビプライムニュースに、新潟県の泉田知事が出演していた。先日(7月6日)、このブログで、私が批判した知事である。昨日のこの番組で、初めて彼の論説を聞いたが、もと経産省官僚だけあって、口は滑らかで、小頭もいい。無垢な新潟県人が騙されるのも無理はない、と思った。
 もちろんこの番組は、先日の東電社長との会見の不調を受けてのものだ。番組には、知事の腰巾着のような経済ジャーナリストも一人出演し、援護射撃を行っていた。

 この番組で知事が述べたことは
 ①事故の安全検証が済んでいない限り、原発稼働は進めるべきでない。
 ②東電は約束を守っていない。
 ③他県の原発については、関与しない。
               であった。
 ③については、県知事の立場もあり、ここでは問わない。問題は、①と②である。

 まず、①事故の安全検証について、すでに4つもの事故調からの報告にもとづいて、ハード面での安全基準強化がなされている。しかし知事は、これでは足らないという。スペースシャトルの事故検証で、NASAの組織風土を問題にしたことを例に挙げ、東電組織としての総括的な改善が必要なのだそうだ。
 もちろん、これまでの東電のような隠匿体質では困る。しかし、知事の言うように、とことん「検証・総括」を詰めていくなら、永久に物事は進まない。世の中に完璧なものはないし、東電の組織風土が変わったとしても、客観的にわかるものではない。ケチをつけようと思えば、いくらでもつけられる。どう見ても、どんどんハードルを高くし、ごねているとしか考えられない。

 つぎに、②東電は約束を守っていない、ということについて。
 そもそも、その約束の内容について、東電側と知事との間に誤解がある。たとえば、ベント装置の設置方法についても、知事は本体と完全一体化を望み、東電側はそこまでは考えていないという。

 これは、明らかにコミュニケーションの齟齬(食い違い)である。これは東電側だけでなく、知事の側にも大いに責任がある。コミュニケーション不足は、一方だけが悪いということはあり得ないからである。 
 すなわち、テレビで見た印象だけであるが、独善的な知事の性格や言動からみて、新潟県庁内の事務方は、知事に必要な情報や意見を、上げていないのではないか。どうも、県庁内での事務方との意思疎通がうまくいってないように見える。その結果、これまでの県事務方と東電事務方との調整を、(わざと)食い違いによる破たんに持って行ってしまったのである。これでは東電よりも、新潟県庁の組織風土のほうが心配である。

 そして、「約束」の中には、知事が勝手に思い込んだものもある。東電が、申請前にまず県に報告する、というものだ。しかしこれこそ、知事の思い上がり以外の何物でもない。

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 誤解されると困るが、私は東電や電力会社の回し者ではまったくない。むしろ、電力業界のような独占事業者に対しては、批判的な立場である。昔から、その天下りや高額報酬などの利権構造には、腸が煮えくり返っていた。

 しかしながら、世間の東電たたき、溺れる弱い立場の者をとことんいじめ抜く、いまの風潮にはとても我慢できない。嵩にかかって弱者たたきする、日本人の冷たさ、情けなさを実感する。これでは、子供のいじめなど、無くなるわけがない。

 それに、推進あるいは撤退するにしろ、原発事業には、優秀な人材と資源が注入されなければならないはずだ。福島第一の廃炉の現状を見ればわかる。このままだと、原発事業を撤退していくのに必要な、再優秀な人材が枯渇し、悲惨な最期を迎えることになる。同じような過酷事故が、頻発するかもしれない。皮肉なことに、その後押しをしているのが、世間における、反原発の「空気」なのである。
 
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