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IOTとは何か AI・IOTとは① (書評)

 革新意欲のある人なら既存コンピュータ知識のない人の方が成功する

 IOTなる言葉が、そこかしこに躍るようになって久しい。専門家の考えを知りたいと思い、坂村健氏(東大大学院教授)の「IOTとは何か」を読んだ。 角川新書2016.3月
 内容はおよそ以下のようなものである。

①IOTは一昔前の「ユビキタス」であり、その前は、「どこでもコンピューター」だった
②IOTが進むと、コンピュータがすべてのモノに組み込まれる(自動的な快適制御)
③ドイツの「インダストリー4.0」は、トヨタの「カンバンシステム」を製造業全体に広げたようなもの。IOTが進化すれば、その枠も広がる
④インタネット的なオープンこそが、これからのIOTの課題
⑤IOTからIOE(Everything)へ。UCode(識別番号)を場所に設置しクラウドに繋げる
⑥CRM(顧客を管理する)からVRM(顧客がベンダーを管理する)へ
⑦プログラミングの義務教育化が必要だが、日本は決定的に遅れている
⑧オープンなシステムにおいて技術以上に重要なのがガバナンスである
⑨電力においても、家庭内の各電気機器の必要度に応じ効率よい供給が可能
⑩米国では失敗が原動力となって既得権益者を追いやり、実現したオープンの有意さを背景に世界を席巻している

            カバ地獄 H28.6.17

⑪ガラケーとスマホの決定的な違いはオープン度の差
⑫汎用ルールに従うものはすべて受け入れるオープン連携は、スピードが段違いに早い
⑬スティーブ・ジョブスが日本に生まれても成功しなかった
⑭オープンデータを実現するなら、プライバシーデータの扱いについての明確化が必要
⑮IOTでは、ネットワークの中での場所概念の標準化が必要である(UCodeを提唱)
⑯カメラなどの組込みやビッグデータを扱うクラウド、中間のスマホなど、それぞれに適したOSを活用する
⑰究極のIOTは、すべてのモノが管理者や製造者の枠を超えてつながる
⑱そのために、ネットワークの中のIDであるUCODEをすべてのモノに貼り付ける
⑲IOTは、セキュリティとガバナンスのほうが、つくる技術より難しい
⑳アグリゲート(孤立に陥らない囲い込み)という方法もある
㉑公共交通機関を公的機関が一手に握っていれば、オープンデータ化は容易
㉒戦争で技術が進展するのは、あらゆる規制や既得権益を排除できるから
㉓ポジティブリストでなく、ネガチィブリスト(やってはいけないこと)を規定しなければ革新は生まれない
㉔IOT時代の法律では「トロッコ問題(そのまま進むと幼児を轢き殺すが、脱線すれば自分が死ぬ)」を曖昧にしてはいけない

            白山 チングルマ24.7.15

 坂村氏のこの著書は、いたるところ横文字やカタカナが入っているので、理解するのがむずかしい。「オープンのレイヤーが拡大してきて、今はミドルウェア、ライブラリ、開発環境、プラウザ、データベースとオペレーティングシステムよりも上のレイヤーでオープンが話題になってきている」などという文章が、そこかしこ頻繁に出てくる。そのたび考えるので、読むのが遅くなる。たいてい考えてもわからないので、分からないまま先へ進む。

 ただ、坂村氏が繰り返し訴えているのは、IOTを進化させるのはオープンシステムであり、従来のベンダー型ビジネスではないということである。そしてもっとも日本が弱いところは、そのガバナンスである。個々の機器をつくる技術で先行していても、社会に組み込む段階で大きな障害が発生し、IOTの実現が進まない。

 IOTのオープン化は、独裁的体制がもっとも適している。すでに中国は日本を凌駕しており、その差はますます開いている。経済規模だけではない。これこそほんとの脅威である。
 さらにIOTは、非連続型のイノベーションである。革新意欲のある人なら、むしろこれまでのコンピュータ知識のない人の方が成功する。日本で、そのような人材を生む土壌をつくれるかどうかが大きな課題である。

②AIの未来
③IOTの導入
④AIの正義
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