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行政文書の管理

 やみくもに情報公開法を適用したら、役人の数は際限なく増える

 このところ国会は、財務省の文書改ざんや防衛相の日報あと出し問題で、大きく揺れている。同じ文書でも財務省と防衛省では、やや性質が異なる。だが文書管理がずさんだということでは共通している。とくに防衛省で無かったはずの日報が、つぎつぎ出てくるのは、まともな管理がなされていなかったからである。
 
 ところでこの問題は、情報公開法による、行政文書の公開請求から派生している。
 情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)では、「何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。」
 また行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。
            困ったイヌ
 しかし情報公開法では、一方で「情報を公開する場合には、公開することで個人情報、国の安全、犯罪予防、人や組織の権利や公正さが削がれるものなど、相当の部分を除かなければならない」とされている。
 素人考えでも、非常に難しい仕分けが必要である。開示・非開示の判断ができる人は限られるし、いたとしても相当の時間がかかる。開示要求のあった文書の1センテンスごとに仕分けしたら、どれだけ時間がかかるか想像すらできない。


 その意味で、今回問題になっている自衛隊日報の管理はきわめて難しい。
 毎日25万人の隊員が書いている日報は、年間15億件にもなる。開示する場合には、内容を吟味して機密にあたるものを慎重に除去しなければならない。それだけで、高級官僚数万人が必要である。たとえそのほんの一部、今回問題となったイラク派遣に関するものだけでも、調べろと言われたら目を剥く。
 
 イラクへのPKOでは、述べ8000人の自衛隊員が派遣された。毎日一人1枚の日報を書いたとしたら、年間8000枚(5年で4万枚)である。公開の可否を選別できる人はそれほどいない。できる人でも、1枚吟味するには1時間はかかる。年間労働時間2000時間とすると、請求があってから4年かかる。公開請求する人は、そのコストを払う覚悟が必要である。年棒1000万円クラスの人を、そんな仕事に貼りつけていいはずがない。
 私が責任者なら、あっても無いという。


 さらに自衛隊の日報は、機微な内容が含まれている。そんなものを公開するから、日本はスパイ天国だといわれる。国会で議論すべきは、日報が出てきたことではなく、管理の必要性の有無ではないか。アホでなければ、このような文書管理に、膨大な工数をかける意味などまったくないと思うはずである。
            怖いイヌ
 ISO9001(国際マネジメント規格)の審査でも、レベルの低い審査員ほど、文書管理の不備を指摘する。どんな会社でも、文書をつつけば必ずボロが出るからである。
 いま財務省や防衛相を叩いているマスコミも、まともな管理をしているはずがない。

 だから、自衛隊の日報は管理しないほうがいい。管理の基本は、「整理」。つまり捨てることである。
 捨てることができないのなら、機密として公開しない。あるいは、1ページ3万円くらいの費用を請求し、念入りに仕分けして数年後に出せばいいのである。2000枚なら1年以上かかる。公務員がつくる文書の枚数だけ、仕分けの人数が必要である。これでまた、役人の数はどんどん増える。
 そもそも文書を神様の如く信頼するから、世の中がおかしくなるのである。
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