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補助金制度に求められる「革新性」

 自社の強みや独自性をしっかり認識し高めていくことが、経営計画の肝である

 いま、平成29年度補正予算による「ものづくり補助金」の応募が、佳境を迎えている。4月27日の申請締め切りに向け、応募企業は申請書の作成に余念がないと思う。

 昨年あたりから、採択率が低くなり(30%程度)、採択されるにはいっそうの吟味が必要である。申請書を作成するということは、中小企業にとって経営戦略を策定することである。自社の強みを認識し、設備投資によってさらにその強みを伸ばしていく。これがものづくり補助金制度の目的である(応募要項がだんだん細かくややこしくなるのは問題だが)。

 基本的にこの補助金は、企業の設備投資に対する支援である。趣旨は、「生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための中小企業・小規模事業者の設備投資等の一部を支援」するものである。
 したがって、導入しようとする設備によって、その企業や業界に「革新的」な成果をもたらすことを計画しなければならない。
               タヌキの金玉
 じつはその革新の程度が難しい。(他社との比較なので難しいが)革新が小さければ単なる改善程度だと見なされるし、ずば抜けて大きければ実現性が低いと思われてしまう。

 たとえば、「ものづくり技術」において、つぎのような計画があるとしよう。
①その業界専用に開発された革新的な設備を導入し、高品質で効率的な作業を行う
②最新鋭設備を導入し、既存設備を更新し生産能力を格段にアップさせる
③市販の設備を組み合わせて導入し、ガンの特効薬を試作する。あるいは、地震予知計をつくる

 このなかで①と②は、単に設備をつくったメーカーの技術に依存しているだけである。他の企業が同じ設備を導入すれば同じことになる。これだけでは弱い。
 そこで、その高度な設備を活用して、もともと自社が得意としていた加工技術、あるいは独自の製品をブラッシュアップする。その段階で独自の工夫を盛り込み、業界内で卓越した技術や製品を生み出す。そこにはものづくりにおける12分野の技術要素が係る。大まかにこのストーリーが、ものづくり技術の高度化である。
 このことがしっかり計画に落とし込めれば、ものづくりに造詣のある審査員にアピールできるはずである。

 逆にあまりに革新的すぎると実現性が危ぶまれる。③の例はやや大げさだが、これまで世の中になかった製品や加工技術を生み出すなら、その実現性の裏付けをしっかりと証明する必要がある。中小企業のなかには、それだけの実績と実力のある企業も多い。そのことを申請書の中で説得できれば大きなポイントになる。説得できなければ、単なるハッタリである。マイナスイオン、トルマリンはもとより、抗菌商品と謳っただけでは信用されなくなっている。

 繰り返すが、自社の強みをしっかり認識して、その強みをさらに高めていく。これはまさに、本来の経営計画の肝である。このことがしっかり理解できれば、持続化補助金などどのような支援策の事業計画も、実のあるものになる。
            柿の収穫 奈良山の辺の道 H26.10.10撮影
 もっとも、補助金に採択されなくても、経営計画の重要性は変わらない。計画をつくりそれを実施することで、他社との差別化をはかり経営改善することが大切なのである。現にこれまで、採択されなくても計画どおり設備投資を行い、成果を上げてきた企業を何件も見てきた。むしろ採択されないほうが、より成果を出す。煩わしい手続きをしないで済むし、自分のカネを使うと思えば気合が入る。なにかと制限のある補助金だと、高くてしかも不本意な買い物をすることもある。

 それでも、お金を貰いながら経営計画を立てることができる補助金制度は、きちんとした経営計画を立てるチャンスである。うまく活用したい。
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