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福島第一の廃炉

 廃炉は格好の研究開発投資の対象であり、10倍の予算を出すことで経済成長できる

 先週、福島第一原子炉廃炉処分について、NHK「ニュース深読み」で論じていた。廃炉は、2011年4月から40年で終了させる予定となっている。計画は必要としても、これまでだれもやったことのない超難解で危険な仕事である。とくに使用済み燃料の取り出し、汚染水や放射性廃廃棄物の処分が大きな課題である。

 技術的に難しいのは、デブリと呼ばれる溶解した核燃料の取り出しである。1~4号機のうち、余熱除去のためプール保管されていた4号機を除いて、まったく手が付けられていない。格納容器の底を抜けて、構造物を巻き込んで溶解した高温燃料が、建屋の地下にとぐろを巻いている。熱と放射線で、機械すらまともに近づけない。
 予定では2021年から、デブリの取り出しがはじまる。だが、監視・測定、切断、取り出し、保管など、課題は山積みである。

 デブリほどではないが、汚染水や放射性廃棄物の効果的な処分方法も決まっていない。なんといっても、毎日150トン増える「汚染水」が、すでに敷地内に100万トン溜まっている。また、瓦礫をはじめ放射能を含んだ物質も、どんどん増える。
 これら廃炉に要する費用は、全部で8兆円と言われている。もちろんこれで収まるはずがない。

            金が飛んでいく
 しかし見方を代えれば、これらは研究・開発のための素晴らしい投資である。超難解な廃炉を行うことで、放射線だけでなく高温における材料、機構の開発や作業方法などのノウハウ・知見を飛躍的に高めることができる。

 OECD資料によると、日本の研究開発投資は(衰退国の英国やフランスと同じ)ほとんど伸びていない。まさにそれが経済停滞につながっている。他の元気な国はGDP増分を超えて投資している。とくに中国は、現時点でも日本の2倍以上の投資を行っており、さらにGDPが伸びるぶん確実に増えていく。

 この超難解な原発事故廃炉は、まさに格好の研究・開発投資の対象である。40年で8兆円は、少なすぎる。日本の研究開発投資額1500億ドル(18兆円)/年を考えれば、40年なら80兆円でも少ない。兵力の逐次投入でなく一気に使う(さすがに電力料金の上乗せでは無理。国の借金で賄う)。そのお金は知恵を出した国民がもらい、人々は豊かになる

 大學における、雲をつかむような研究・開発より、実用的で切羽詰っている。それだけ直接社会のためになる。とくにこれから起こる原発事故には確実に貢献できる。500基もの原発を作ろうとしている中国には、高く売れるし、政治的にも優位に立つことができる。
 厄介な放射線デブリをエネルギー源とすることを含め、有害物質を有効活用することも可能である。人類が他の惑星に行ったとき、生活環境を保証する大きな力になるなど、無限の可能性を秘める。

            妖怪変化
 つぎに濾過した「汚染水」と呼ばれる、トリチウムや放射性瓦礫の処分である。これらは一部を除き、人体に害があるわけではない。単に核アレルギーの日本国民が、心情的に受け付けないだけである。海に流すと風評が立ち、瓦礫処分はNIMBYが騒ぐ。

 したがってこれらは、時間に解決してもらう。保管場所がなければチビチビ漏らし、蒸発させる。いま責任者はいないほうがいい。この場合のみ、あいまい戦略は統治の要となる。40年もたてば、日本人の核アレルギーも治まる。アレルギーが癒されれば、騒ぐ人もいなくなる。もし治らなかったら、ほんとのバカである(サルか)。バカにつけるクスリはない(あと、近隣国がしつこく市民活動を後押しするのを防ぐだけ)。
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