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ブランド信仰

 アルマーニのブランドにケチがついたのはいいことである

 東京銀座にある泰明小学校が、高額なアルマーニの「標準服」を制定し、物議を醸している。価格は今までの2倍以上、一式そろえるとおよそ8万円する。新入生の負担になる高額な制服を、校長が独断で決めてしまった。
 ほとんどの人は校長に批判的である。まだ賛同する意見は一つも見たことがない。

 学校側からは、「銀座の街のブランドと泰明ブランドが合わさったときに、もしかしたら潜在意識として、学校と子どもらと、街が一体化するのではないかと、また銀座にある学校らしさも生まれるのではないかと考え、アルマーニ社のデザインによる標準服への移行を決めました」などという、意味不明の文書が出ている。「ご父兄には理解してもらいたい」と言って、異常な価値観を無理やり押し付けようとしている。校長の会見を聴いても、筋の悪さを口の巧みさでカバーしているようにしか思えない。


 いつもは多数意見に抵抗する私でさえ、校長の行動は常軌を逸していると思う。
 どう考えても、小学生には高級ブランド服は適さない。小学生は成長が早く、1~2年で寸法が合わなくなる。ぴったり時期はほんの一瞬で、たいていダブダブかツンツルテンを着る。これではアルマーニが泣く。毎年買い替えれば、8万円の出費は痛いし、使い捨て文化を助長するだけである。高級ブランドは長く使いたい。 

        女の子     男の子

 そもそもブランド品は、それほどいいものなのであろうか。
 ブランドショップでは、ルイ・ヴィトンやエルメスのバッグなど、高級ブランド商品が飛ぶように売れる。これは、私のようにモノ作りに長年かかわってきた者にとって、まことに不思議な現象である。車や時計はもちろん、バッグや靴、眼鏡、衣類のような軽工業品でも、品質の差がつきにくくなっており、強度、デザイン、使用感、肌触りなど、むしろ無名商品のほうが優れている場合がある。

 それなのに多くの人は、有名ブランドにこだわり、争って身に付けようとする。ブランドという虎の威を借りて、己の自信のなさをカバーしているとしか思えない。日本の消費者が馬鹿にされ、外国ブランドメーカーの餌食になっているのを見ると、歯がゆくて仕方がない。 
 泰明校長の会見を聴いていても、有名ブランドだから高級品だという、単細胞的な思考にどっぷりはまり込んでいる。


 今度の件では、アルマーニのブランドに、決定的にケチがついてしまった。これはいいことである。来年以降、泰明小学校には、優れたノーブランド商品を格安で提供しようとする事業者が現れるに違いない。それを排除することはできない。
 そして学校とは、価格を全く考慮せずに商取引を進めるという、世間知らずの組織だということがよくわかる出来事であった。
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