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赤報隊事件(NHKスペシャルより)

 ヘイトスピーチやネトウヨを抑えこむと、また「赤報隊」が出現する

 27日のNHKスペシャルでは、実録ドラマとして草なぎ剛が主演し、未解決事件のひとつ「赤報隊事件」を取り上げていた。この事件は1987年、朝日新聞阪神支局に目出帽の男が侵入し、持っていた散弾銃で29歳の記者を殺害、42歳の記者に重傷を負わせたものである。その4ヵ月後に、同社名古屋本社の社員寮テレビに散弾銃を発射、1月には朝日東京本社で散弾銃の跡が見つかった。翌88年には、静岡支局爆破未遂、さらに竹下登元首相と中曽根康弘元首相への脅迫状送付、リクルートの江副会長宅襲撃などの事件を重ねた。

 そのたび「赤報隊」を名乗る者から「日本を否定するものは許さない」、「反日分子は極刑とする」などの犯行声明が送られた。最後は90年5月の愛知韓国人会館放火事件である。
 犯行の背景として、朝日新聞社の戦後の報道姿勢がある。旧日本軍の中国大陸における残虐ぶりをねつ造、針小棒大に煽って中国を反日国家へと誘導した。さらに中曽根総理の靖国参拝を外交問題化させ、以後日本首相の靖国参拝を断絶させてしまったのである。このあたりから慰安婦問題の虚報もはじまっている。この偏向ぶりに、心ある国民は声を上げられないまま、鬱積した思いを抱いていた。

 ドラマでは、殺害された記者の幼い子供や奥さんが登場。元自衛隊員の犯行を匂わせたり、怪しげな右翼の大物・小物を悪役にしている。草なぎ剛扮する記者を通して、(青臭い正義感ながら)暴力テロを徹底糾弾するなど。予備知識なしにこのドラマを見た人は、つい「被害者」である朝日記者と朝日新聞に同情したくなる(この誤った正義感もその後、朝日新聞社の歪んだ体質を固めてしまった一因ではないか)。

 またドラマでは、草なぎ剛扮する記者の口から、現代における在特会などのヘイトスピーチや、ネトウヨの跋扈するネット空間拡大にも、警鐘を鳴らしていた。ドラマは、本音ではこのことを伝えたかったのであろう。

          焼き場 H30.1.30

 しかし、最後の「忠告」はまったく余計である。
 もちろん現代社会では、テロや暴力はご法度である。朝日記者が言うように、言論に対しては、暴力テロでなく言論で返すべきである。だからこそ、ヘイトスピーチやネット空間を排除してはいけないのである。それこそ、再び「赤報隊」が出現する。

 もともと朝日新聞は、一旦記事にすれば毎日数百万人が閲覧し、社会に大きな影響を与えることができる。特権階級であった。それに対し、当時の右翼はせいぜい拡声器で演説したり、チラシを撒くくらいしかできなかった。

 それが現代は、誰もがネット発信すれば、場合によって大新聞に匹敵するくらいの影響力を持つことができる。右翼でも、発信できる場さえ持てれば、わざわざ暴力を使う必要はない。既存のマスコミが、ネットでの言論を除け者扱いするのは、あまりにも身勝手すぎる。
 つまりヘイトスピーチやネトウヨの活動を、危険な風潮だと言って抑制すれば、当時のような暴力テロが発生することは避けられなくなってしまう。

 もちろん暴力的な言論はよくないし、それはヘイトも朝日も同じである。限度をわきまえて、お互い自重すべきである。 
 いまは、政府がヘイトスピーチを規制することと、メディアを抑制することで、バランスを保とうとしている。暴力がいけないのなら、その絶妙なバランスを取り続けるしかない。
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