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電脳死 「続続失敗百選」より③

 原発など重要機器は、電気に頼らない「本質安全」を追求することが重要である

 中尾氏は、福島第一原発事故拡大の大きな技術的要因は「電脳死」だという。
 あの地震と大津波では、司令室の電源が切れ、計器盤が見えなくなった。天井の板が落下し、制御室が大混乱したという話もある。中央操作室からセンサも読めず、装置の動作部、バルブが操作できない。

 もちろんすべての電源も入らない。そのため何をするにも、現場へ行って手動で操作する必要があった。自動車のバッテリを使って、少しづつ電力供給し測定を始めたが、すべての正確なデータを把握するまでには至らない。さらに、バルブなどの動作部は、手動操作するような設計になっていなかった。バッテリや電源車、圧縮空気などを工夫しながら、操作するしかない。
 その結果、圧力容器の減圧、消防車による注水、ベントの開放などすべてが遅れ、メルトダウンにまで至ってしまったのである。

            はげわらしべ
 では今後、原発事故再発防止のために、どうすればいいのか。
 ひとつは、確実な非常用電源と接続盤を確保しておくことである。3.11以上の津波やミサイル攻撃、火砕流などでも破壊されないような、核シェルターを構築する。これはだれでも考えることで、すでにいま再稼働する原発では行われている。
 もちろん直接の電源だけでなく、センサや頭脳にあたる部分の電源と機能の確保も重要である。

 そして原発では、電気に頼らない「本質安全」を追求することが必要になる。
 中尾氏は、つぎの4つを提案している

①手を使ってバルブを容易に開けるようにする
 原発だけでなく、最新の家電製品は本体に操作スイッチがなく、リモコンが壊れると操作不能になる。これは危うい。

②高台から電源を引っ張ってくる
 電源の場所を代えることで、消極的な安全はプラスされる

③高所の池から重力で水を落とす
 その配管路は手動操作可能でなければならない

④原子炉を海上に浮かべる
 原子力潜水艦や原子力空母は、攻撃され沈没しても放射能が広がることはない。したがって、原発は海に浮かべたほうが一番安全である。海上での風力発電に比べたら、はるかに環境にやさしい。

            わらしべ
 さらに電脳死の恐怖は、原発に限らない。
 北朝鮮は、核による電磁パルス攻撃を仄めかしている。強力な電場と磁場は、システムに有害な大電流と大電圧の渦巻きを引き起こし、回路網を破壊する。この攻撃を受けると、日本中のすべての電脳が破戒される。1年以上復旧できないとされ、電気が無くなった日本は、天明の飢饉を超える阿鼻叫喚の世界になる。日本人同士が友喰いを始める。

 電磁パルスまで行かなくても、サイバー攻撃も深刻である。
 政府は、サイバー攻撃に関する情報を共有し対策を考える官民の協議体を新たに創設する方針を固めた。東京五輪・パラリンピックを控え、北朝鮮によるサイバー攻撃のリスクが高まる中、インターネットの安全を保つ「サイバーセキュリティー」能力の強化が急務だと判断した。


 事故が起こったから原発を廃止してしまえ、というのは、最も愚かな選択である。やみくもにリスクを恐れ、人類の未来を考えようとしないものは、人間ではない。ダチョウかサルである。

     「続続失敗百選」④に続く
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