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補助金不正受給

 補助金不正をなくすためには、ややこしい縛りをなくすことである

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から助成金約4.3億円をだまし取ったとして、スーパーコンピューター開発を行うベンチャー企業(ぺジーコンピューティング)社長が、逮捕された。この会社は今年、世界トップクラスの省エネ性能を誇るスーパーコンピューターを開発し、注目を集めていた。経産省によると、同社は10~17年の間、5件の事業でNEDOから助成金を受け取っていたという。
 著名な技術者だけに、衝撃は大きい。

 一般の人は、不正に補助金を受け取るなど、とんでもない悪事だと思うだろう。補助金の原資は、自分たちの税金だと思っているからである。森友学園の土地購入や校舎建設費用の水増し申告など、悪いイメージがこびりついている。逮捕にまで至ったということは、今回の「不正」も、水増しや架空実績など、相当悪質な規定違反を犯していると見たほうがいい。

              妖怪 唐変木

 ただ補助金を受ける企業は、大なり小なり「虚偽」の申請を行っている。まず申請書作成段階でも、100%正直に書くところはない。都合の悪い情報は隠し、景気のいい話を増幅する。採用された後でも、不正のあるなしに関わらず、ややこしい伝票の整合性に四苦八苦している。だから不正があったかどうかは、脱税と節税の違いと同じ、質と程度の問題である。

 そもそも補助金というのは、一企業では負うことができない事業リスクの一部を、国家や自治体が肩代わりするものである。未開の分野だけに、どのような用途にいくらかかるかわからない。計画どおりに進むことはめったにない。

 補助金の制度にも問題がある。
 まず非常にわかりにくい。制度ごとに、数十ページもの詳細な「募集要項」が作成され、細部まで応募規定が盛り込まれている。とくに「補助対象経費」が悩ましい。何にでも助成されるわけではない。必要な経費が認められないことも多い。


 補助金の不正をなくし、本来の目的である企業リスクの低減に役立つためには、このややこしい縛りをなくすことである。いまのままでは、「適性」に補助金を受けるためには、肝心の事業遂行以上の労力を要する。しかも、申請から採択決定まで、半年近くの期間を擁する。あげく、補助制度に合わせて事業計画を捻じ曲げる。これでは迅速な事業遂行は望めない。そのチェックにも多大な労力を要する。

 もっとも、どんな企業にでも補助金を支給して良いわけではない。有効な補助のためには、審査する人の資質が最大のネックである。いまのお役人中心の審査体制では、100年経ってもまともな審査などできない。お役人でなくても、無理である。
 結局どの事業が成功するかなど、誰にもわからない。それを前提にするしかない。
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