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大手製造業の凋落

 本腰を入れて再発防止策をやるかどうかに、再起がかかっている

 神戸製鋼所における、アルミ・銅製品の品質データ改ざんが発覚し、企業イメージを損なう大問題になっている。納入先は500社に及び、素材産業だけに影響の広がりは甚大となる。自動車ドア、H2Aロケットや国産ジェット機の部品、自衛隊装備品など、幅広く使われ、アメリカ自動車メーカーや、航空機大手も影響調査を始めたという。
 この問題発覚の前には、日産でも不適正検査が問題視されたばかりであり、しかもまだ同じ検査を続けていたそうだ。さらに食品関連でも、異物混入からO157まで、不祥事が絶えない。

 なんともはや、日本の大手製造業のいい加減さが、一気に噴き出してきている。
 中国メディアも、「東芝の不正会計から神戸製鋼のデータ改ざんまで、日本企業の不祥事が多発しており、日本の製造業神話はもはやこれまで」などと論じている。 
 たしかに、これら多数の不祥事を見れば、日本の大企業全体が泥沼に入り込んでいるように見える。


 なぜこのような不祥事が続くのであろうか。とくに製造業に多い。
 まず、これらはいずれも、コンプライアンス(法令順守意識)および管理能力の欠如であることは間違いない。

 それと同時に、現場に優秀な技術者がほとんどいなくなってしまったからであろう。
 これまでものづくりの現場は、経験豊かで高い思考能力を持った技術・技能者が担ってきた。彼らは、「現場の考える人」と言われ、新製品の開発や、異常が発生したとき、大きな力を発揮する。経験とすべての知見、人脈、創造力を駆使して問題解決にあたる。異常は小さいうちに発見・修復されていた。
 だが現場軽視の風潮の中、その人材がどんどんいなくなっている。

      うばさくら 25.4.13

 一方でこれらの問題は、現物の品質云々というよりも、基準やルールを守ったかどうかの事象が多い。食品の異物混入にしても、騒ぎ過ぎのように見える。本来なら見直したほうがいい基準やルールを、神棚に上げてしまっていたことが、多くの問題の本質ではないのか。

 そしてこれらの不祥事が、こうやって表に出てくるのは悪いことではない。
 中国のネットユーザーからも、「不合格品だろうとちゃんと報道されるから、消費者は選択の余地がある。でも中国に選択の余地があるだろうか?」などのコメントが寄せられている。製品の品質レベルについては、まだそれほど捨てたものではない。


 したがって、問題が発覚した時点で、しっかりした再発防止策をとり、類似の問題が2度と起こらないようにする。そのことを、形だけでなく本腰を入れてやるかどうかに、日本企業の再起がかかっている。

 ものづくりの神髄は、「見る目」と「気くばり」である。まさにおもてなしの精神である。世界に類を見ない日本人のこの精神を発揮できれば、ふたたび日本をものづくり大国に押し上げることは、不可能ではない。
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