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日本国憲法の神髄

 「国際協調主義」こそ日本国憲法の神髄であり、9条はそのための手段である

 「ほんとうの憲法」(篠田英明氏著)の内容は、憲法の歴史や欧州や英米における考え方の流れなど多岐にわたっている。難しいが、無理やりポイントと思われることを以下に示す(読むのが面倒な人は、最後の7~8行だけ目を通してください)。

①日本国憲法の3大原理は「国民主権、基本的人権、平和主義」と言われている。だが前文を注意深く読むと、「国政は国民の厳粛な信託によるもの」という一大原理と「諸国民との協和」、「自由の恵沢」、「戦争の回避」という3大目的から成ることがわかる。

②前文にある「国際協調主義」こそ、日本国憲法を特徴づけるものである。9条はそのための手段である。

③日本国憲法は、先に成立し戦争放棄を謳っている国連憲章を追認するものにすぎない。

④前文で表明されている目的に従って9条を読めば、国際法で合法とされる(個別・集団)自衛権と集団安全保障を、9条1項があえて違憲とするはずがない。

⑤また、2項で禁止されている「戦力」は、1項が禁止した「戦争」を行うための手段を指す(したがって、1項が禁止していない自衛戦争のための戦力は禁止していない)。

⑥そもそも「交戦権」はあらゆる国が持っていない。9条2項で「交戦権」を否認しているのは、単に国際法遵守の意図を宣言するためである。

⑦日本国憲法のように、アメリカ人が他国の憲法を起草することは、現代国際社会では普通である。それを持って押し付けとは言えない。

⑧立憲主義とは法の支配の貫徹である。ところが日本では、「主権者である国民が政府を制限する」、という憲法学者が圧倒的である。東大法学部を中心とした憲法学者の学説が、憲法解釈を牛耳っている。

⑨立憲主義を貫くなら、「国政は国民の厳粛な信託」ということを、普遍の原理と考えるべきである。

⑩立憲主義も一つの主義にすぎない。信ずるという行為によって初めて体系化される。


⑪日本国憲法押し付け論に対し、「内容がもともと国民の求めていたものであった」、「8月革命を起こして新憲法を制定した」という(苦しい)反論がある。

⑫日本国憲法では表の主権者である日本国民が、実質は裏で権力を行使するアメリカ及び日本国内のエリート層に支えられている。

⑬統治権を持つ国家に対し、主権をもつ国民が抵抗するのが、戦後日本の憲法学が求める基本的な構図であった。

⑭そもそも日本には、統治権など存在していない。自衛権を行使するとき統治権を制限するのは無意味

⑮憲法11条と13条に基づいて社会構成員の安全を守る責務を政府が果たすことが、自衛権となる(9条はなくてもいい)。

⑯9条と前文だけが、主語が「日本国民」となっている。だから9条は前文に近い形で憲法の精神を宣言している。

⑰9条は国際法秩序の遵守を通じた平和を目指している。戦争放棄や戦力不保持は手段であって、目的は「正義と秩序を基調とする国際平和」を達成することである。だから、その手段が目的を阻害するように禁止されてはならない。

⑱国民の安全を犠牲にして絶対平和主義を神聖視するのは、立憲主義的態度ではない。

⑲国連憲章51条の自衛権にもとづく武力行使も、憲章7章の集団安全保障にもとづく武力行使も、国家の権利の発動として正当化される戦争行為としての武力行使ではない。国連憲章にもとづいて合法的に遂行される武力行使は禁止していない。

⑳自衛隊が国際法に従って行動する限り、9条2項に抵触することはない。

              由利公正
 いろんな人の言説が混じっており、一読で理解するのは難しい。
 ただ結論は、この本の最後に篠田英明氏が憲法改正に関し述べていることである。

 ≪もし9条3項を創設して自衛隊の合憲性を明確にするのであれば、簡易につぎのような規定だけを入れればいい。
『前2項の規定は、本条の目的に沿った軍隊を含む組織の活動を禁止しない』≫

  まさに、今年5月安倍総理の提案したそのままである。



 日本国憲法前文では
 「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」 とあり、つづけて
 「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」 とある。
 つまり、「一国平和主義」を厳に戒めているのである。


 これこそが日本国憲法の神髄である。憲法9条に関連して安保法制でバカ騒ぎしていたことがあほらしい。
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