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電気自動車はエコなのか

 臭いものは見えないところに追いやる、先進国のエゴにならないようにしたい

 今月6日、日産が新型リーフを公開した。リーフは、2010年に世界初の市販EV車として発売され、これまで30万台近くを出荷。世界で最も売れている電気自動車である。新型リーフはバッテリー技術が向上し、1回の充電で従来の1.4倍の400㎞を走るという。価格は旧型並みの300万円台におさえ、加速性能や静粛度も向上した。さらに駐車時の自動操作など安全性にも気を配っている。

 電気自動車と言えば、ここ数年テスラが注目を浴びていた。当初は1000万円以上の高級EVだったのが、最新作は価格が3万5000ドル(約380万円)からと大幅に値下げしている。受注は50万台を超え、リーフの累計販売台数を大きく上回っている。
 さらに、欧米や中国では、メーカーに対しEVの販売割合を高めるよう規制が強化されつつある。これに対応してほとんどのメーカーは、開発にしのぎを削っており、今後いっそう電気自動車の普及は進む。

           危険な赤い車

 しかし問題もある。
 これまでリーフを購入したユーザーの多くは、バッテリーの劣化に悩まされている。数年も使うと、充電能力は当初の50~70%にまで落ちるという。したがって中古車価格は、他の車に比べてずばぬけて安い。2011~12年の日産リーフ初期モデルは、いまや30~40万円以下で買えるそうだ。バッテリーの充電時間も長く、高速充電でも30分、家庭で充電すると8時間もかかる。これではガソリン車と同じような使い方はできない。



 そもそも電気自動車はどこまで環境にやさしいのか。
 普通のガソリン(ディーゼル)車は、燃料を直接燃やしそれを回転エネルギーに変える。この段階でほとんどが熱に変わり、70~80%ともいわれる多大なエネルギーロスが発生する。
 一方、電気自動車の場合には、もとの発・送電でのエネルギーロスは、約50~60%程度である。それに、バッテリーや充電時のロスを入れても、ロスは60~70%程度しかない。原発などの高密度エネルギー電源にすれば、さらに環境負荷は少ない。

 ただガソリン車のエネルギー効率が飛躍的に伸びていることを考えれば、この差はほとんど無くなる。むしろ、電気自動車のバッテリーの製造や劣化による環境破壊が問題になる可能性がある。おおもとの発電に効率の悪い石炭火力を使えば、なおさらである。
  
            車山から白樺湖 H29.6.16

 先進国が電気自動車を普及させようとするのは、排気ガスなど目先の環境がやさしいからである。エネルギー全体のトータルでどうなるか、電気自動車がほんとにエコなのかどうか、このあたりの議論がよくなされていない。
 電気自動車の普及では、臭いものは見えないところに追いやってしまうという、先進国のエゴにならないようにしたい。
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