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事例・資金難の企業②(6月27日)

 関連記事(事例①)
 http://abegorou.blog.fc2.com/blog-entry-177.html

 経営者と従業員の間のコミュニケーション不足が、異常を増幅させていく

 先日(事例①)の建設業者が、資金繰り困難に至ったおもな要因は、次のとおりであった。

1.不採算部門の放置
 売上高の1/4を占めていたある工事業務が大幅赤字であった。調べてみると、この工事1件当たりの赤字割合は、受注金額の2~30%にも及んでいた。すなわち赤字のほとんどは、この工事業務の不採算によるものと考えられた。

2.工事ごとの採算性把握のしくみがなかった
 前項に至った原因は、工事ごとに採算性を計算、把握するしくみがなかったためである。一応、工事ごとの予定は立てていたが、予算と実績を明確にし、それを管理部門に報告する体制が整っていなかった。そのため赤字部門が、長期にわたって放置されてしまったのである。

3.経営部門と工事部門とのコミュニケーション不足
 現場で実際に作業している人は、その業務の不採算性は、以前から実感していたはずである。しかし、前項に示したような採算性を把握する仕組みがないことに加え、異常事態を経営者に報告できるような、日頃のコミュニケーションが不足していたのではないか。


 改善策は、上記要因の裏返しである。

1.不採算工事部門の廃止
 この工事業務を廃止または外注することによって、不採算の工事がなくなる。そのための顧客との情報交換、採算性のある工事の受注、適切な外注先の選定・育成を行う必要がある。

 ただ、それだけでは再発防止にはならない。そこで、

2.工事ごとの採算性を把握する
 工事ごとの予算と実績を把握する計算書を作成し、工事ごとの実態を明確にする。この内容は、工事ごとに担当者にフィードバックし、一人ひとりの自覚を高め、改善につなげていく。

 そして、この仕組みを定着させるためには、次のことが必要である。

3.経営部門と工事部門とのコミュニケーション改善
 上記のフィードバックを含め、定期的なミーティングを行う。また、経営者の経営に対する方針やビジョン、経営改善計画などを文書化し、現業部門が理解できるように説明する。つまり、会社全体でのコミュニケーションレベルを、もっと上げる必要がある。


 本腰を入れてこれらを行うためには、経営者が事業に専念できるようにしなければならない。そのためには、支払いの優先順位を考慮しながら、事業そのものに資金が使えるようにしたい。従業員の給与、仕入れ先への支払いが滞るようでは、まともな経営ができるはずがないのである。
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