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戦争体験のバイアス

 戦争を知らないのなら知ればいい。賢者は歴史から学ぶ

 ある落語家(桂歌丸さん)が、つぎのようなコメントを出し、ネトウヨの間で論議を呼んでいた。
 ≪戦争を知らない政治家が戦争に触れるなと言いたい。あるいは戦争を知らなかったら戦争をもっと研究しろと。戦争はいいものなのか悪いものなのかきっちり判断をしろと言いたい。上辺だけで喋ってるからおかしくなる。いいものと思ってる政治家だったら我々は絶対に選ばない≫
 戦争を「体験」した人の中には、このような人は多い(上記は代表例として挙げただけである)。
 
 ネトウヨでなくても、これはおかしいと思うだろう。
 (軍事産業関連者を除き)文明国の人は、好んで戦争をしようとは思わない。日本の政治家全てそうである。少なくとも自分から手を下すことなどありえない。また安保法制や自衛隊を明記する憲法改正が、戦争を呼ぶはずがない。

 「自分は戦争を知っている」人でも、その体験はほんの一部でしかない。群盲象を撫ぜるごとく、すべて知っている人など誰もいない。個人被害だけが戦争ではない。彼らは愚者ではないだろうが、その強烈な体験からバイアスに罹っている。とくに芸能人は影響力が大きく、政治的発言は控えるべきである。
 戦争を知らないのなら知ればいい。歌丸師匠もいうようにもっと研究する。
 賢者は歴史から学ぶのである(ビスマルク)

   サクラ咲く H29.3.26      じじいの決死隊

 じつは国家間の戦争(戦闘)で亡くなる人は、それほど多くない。フランス革命やロシア革命の方が、大東亜戦争で亡くなった日本の民間人よりはるかに多い。旧日本軍でも、亡くなった230万人の9割がたは、マラリヤや赤痢などの病気、飢え死にである。民間人の死者も、原爆をはじめとした空襲である。中国のチベット侵略では、住民の30%(150万人)が犠牲になった。もちろん死ぬのは弱い人たちである。それにこれらは国際法違反で、まともな戦争とはいえない。
 そしてこれまでの歴史的大量死は、毛沢東の大躍進とスターリンの大粛清であった。それぞれ、5~6000万人が亡くなっている。正式な戦争なら、人はそれほど死なない。


 それでも戦争はないほうがいい。
 「どうすれば戦争をなくせるのか」というアインシュタインの問いに対し、フロイトが答えたのは、「文化(文明)を発展させることによって知性を高め、破壊(戦争)への欲動をコントロールすること」であった。
 ただ、世界中で先進国と同じ文化(文明)を発展させるには、今の10倍ものエネルギーが必要である。現実にはその資源をめぐって争いが多発している。戦争と平和のパラドックスである。
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