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事例・資金難の企業①(6月26日)

 取引先や従業員への支払いを最優先にしなければ、事業の継続は難しい

 ある建設業。資金繰りが苦しく、どうしたらよいかという相談であった。
 この会社は、苦しい中でも金融機関に対する元利金の支払いだけは、滞らないようにしていた。これが滞ると、金融機関から資金調達ができなくなるからだ。つぎに配慮していたのが、リースなど設備に対する資金で、これがないと仕事ができなくなる。そして、優先順位が最後になっていたのが、仕入れ先に対する支払いであった。
 
 当社のような真面目な経営者ほど、この支払順にこだわる。したがって、銀行の長期借入金は減少しているのだが、仕入れ先の支払いが滞り、買掛金が増えている。
 しかしそうなると、仕入れ先に対して納期や価格面での交渉ができなくなる。市価より相当高い価格で仕入れすることもある。支払条件が悪いので、また支払いができなくなる。仕入れ先からの督促が増え、経営者はまともな仕事ができない。ますます収益が悪化していく。
 これでは悪循環である。

 相談を受けた会社も、この典型であった。まず、この悪循環を断つ必要がある。
 では、どうすればいいのか。

 支払いの優先順位を反対にすればいいのである。

 一般に、事業を継続するうえで、支払を優先すべき順番は、次のとおりである。
1.手形支払い
 これがストップすると、銀行取引停止になり、事業継続ができなくなる。
2.従業員の給与
 これが滞ると社員の士気が低下し、優秀な社員が辞めていく。
3.仕入れ先への支払い
 信用不安によって、仕入れできなくなる恐れがある。また、有利な仕入れができなくなり、結果的に、さらに収益性が悪化する。
4.経費や税金
 多少は後回しでも、仕方がない。ただし社会保険料や税金は、破産した場合の支払い優先度が高いので、注意が必要。
5.金融機関への返済
 資金繰りが厳しくなったときは、銀行などの金融機関へ、毎月の元金返済を半年~1年ほど猶予してもらうように、リスケジュールを依頼する。

 すなわち、金融機関への返済など、最後の最後でいいのである。
 この会社の場合も、金融機関への支払い猶予ができれば、資金繰りはかなり改善できる。仕入れ先からの督促など、心理的な重圧も減る。(本来なら、普段から金融機関とのコミュニケーションを深めておくことが必要であった。)

 もちろんこれで安心してはいけない。返済が無くなっても、この間に、「どうしたら売り上げを伸ばせるのか」、「コストダウンができるのか」など、利益に結び付く改善策を考える必要がある。この本質的な経営改善が進まなければ、事態はさらに悪化するだけである。
                                              つづく
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