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企業は環境適応業なのか

 環境に適応したのではなく、たまたま環境にあった生物や企業が生き残ってきた

 企業は「環境適応業」といわれる。これは生物の世界をなぞったものである。
 本川達雄氏の著書「生物多様性」を読むと、生物進化の法則や生き様は、企業や人間社会とそっくりである。本川氏によれば、いま生存している生物はすべて、地球環境に合うという目的に沿って体が進化してきた。象の鼻、キリンの長首。結果的に今生き残っている生物は、環境に適合した生き残りのエキスパートである。
 
 したがって生物の生態は、人生や企業経営の教師である。経営環境に合わせ、変革した企業だけが生き延びる。タカタが破たんしたのも、「欠陥」エアバッグ問題の早期解決、という環境適応への努力を怠ったからである。また、外来種のブラックバスやアナグマ、セイダカアワダチソウなど、日本に入ってきた生物種のいくつかは、天敵がいないため爆発的に増殖した。天敵のいない業界に参入する企業は、飛躍的に成長できる。
 さらに生物や企業には、その形態に応じた大きさがある。犬は人間以上に成人病になりやすい。肥満体や栄養過多が早死にするように、企業でもその業態に合わせた、適度な大きさを維持しなければならない。

       東尋坊の断崖 H27.10.31

 しかしほんとにそうか。企業や生物が環境に合わせることなどできるのか。
 じつは現在の生物学の主流は、これとは根本的に異なっている。いまは、もともと膨大な数の細胞やDNA、生物が生まれ、そのなかから偶然、環境に適合したものだけが生き残ったのだという学説が有力である。
 つまり生物とは、『さまざまな特徴をもって生まれ、その特徴を同化させて生きることを可能にする環境によって全てが支えられている』のである。競争や淘汰で生き残ったという考え方は完全に間違いであって、たまたま、そのときの環境に合った生物が生き残っている。いまいるのは偶然である。

 企業はどうか。企業が環境に適応したのではなく、たまたま環境にあった企業が生き残ってきただけともいえる。相応の努力は必要だが、世の中努力すれば成功するなどという、甘いものではない。成功した生物種や企業の陰で、何万倍もの敗者が退場している。
 そもそも我々は、いま現在どのような環境にあるのか、完全に理解することなどできない。一寸先は闇である。巷言われるタカタの破たん理由も後付けである。順調だったころは一顧だにされなかった。たいてい世の中の真実というのは、身もふたもないのである。
 だから起業家に対し、もったいぶって役所が縛りをかけるのは、おこがましいことこの上ない。
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