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ロボットと人間の未来

 1000年後に人類が生き延びているとすれば、我々とは全く異なった有様に変化している

 7月17日のNHKドキュメンタリーでは、石黒浩大阪大教授が、『最後の講義』を行っていた。
 この番組は、各々の講師が、もしこれが人生最後の講義だとしたらぜひ伝えたい、と思ったことを話すものである。
 石黒教授は、未来の人間社会を支える知的システムの実現を目指し、人間と豊かにかかわる人間型ロボットを作る研究を行っている。そのため、センサ工学、ロボット工学、人工知能、認知科学を基礎として,あらゆる技術を取り込もうとしている。

 この講義で石黒教授は、「すべての人間はロボットになる」と衝撃的な未来予想を行っていた。
 人間のような有機体は、環境変化に弱い。太陽放射線の変化や、わずかの大気構成や温度変化で絶滅する。今の地球環境の変化には、ダーウィンの進化程度ではとても追いつかない。だから遠からず人類は滅びる

 一方で、無機物質で構成される機械なら、多少の環境変化には対応することができる。しかもAIや機械技術の進歩は、遺伝による進化よりはるかに速い。1000年後といわず、100年後には自分とまったく同じ姿かたちをして、同じ思考能力を持つロボットをつくることができるであろう。もちろん、そのロボットが自ら学習して、さらに優秀な子孫ロボットをつくる。何代も重ねていくうちに、とんでもなく進化した「生き物」ができていく。

      千畳敷 幽体離脱 H27.6.12

 しかし、人間とまったく同じ動きと思考能力を持っていたとして、その『ロボット』は人間と言えるのであろうか。あるいは逆に、ヒトのDNAは継続していなくても、人間そっくりなその『ロボット』は、はたして機械と言えるのか。もしかしたら人間そのものではないのか。考えるほど混乱する。


 ここでわれわれの生きる目的はなにか考えてみよう。
 その最大の目的は、「子孫を残す」ことであった。できるだけ自分に近いDNAを持った子孫を残したい。これがすべての「生物」の本能である(反対する人は生き物ではない)。
 石黒浩教授は、進化した人間そっくりロボットも、そのまま人間の子孫であると示唆している。

 ただ、人間が機械に置き換わってしまうのはなんとも味気ない。
 現在の遺伝子工学を発展させれば、われわれのDNAを持った子孫を、いかなる環境にも対応できる超人に変質させることも可能であろう。倫理面の問題さえクリアできれば、遺伝子操作による超人化はきわめて現実的である。

 我々の未来の子孫は、石黒浩教授の云うAIを伴う機械ロボットなのか、あるいは遺伝子工学を駆使した超人なのか。どちらにしても1000年後、人類がもし生き延びているとすれば、今の我々とは全く異なった態様に変化している。それでも子孫を残したと言えるのであろうか。
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