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豊洲問題と食の安全

 重要問題をそっちのけで大騒ぎしていたのも、ギャグだったのである

 東京都議選と絡めて、まだ築地水産卸売市場の豊洲への移転が問題になっている。盛り土や地下水汚染の問題もくすぶっているし、最近小池知事が示した「豊洲移転・築地再開発」の方針については、具体策や財源などを不安視する声もあがっている。
 いったい、この1年の騒ぎはなんだったのか。

 まず豊洲の安全に関して、盛り土はまったく関係ないし、環境基準を大幅に超えるベンゼン濃度の地下水も問題ない。飲んでも構わないうえに、その水を使うわけではない。むしろ築地の土壌汚染のほうがヤバい。
 それよりこの場合、食品を扱う施設としては、真っ先に細菌感染を考えなければならなかった。HACCP(食品衛生管理の国際規格)の観点からは、細菌汚染の方が、はるかにリスクが大きい。ゴキブリやネズミの巣屈と化した築地に、豊洲のベンゼン濃度を嗤うことなど、できるはずがない。


 つぎに「食の安全」化学物質汚染では、地下水なんかより、直接口に入る魚の方がはるかに問題である。周知のように、現在水揚げされる魚は、ほとんどが重金属に汚染されている。魚によっては、環境基準100倍の地下水より、はるかに汚染濃度が高いものがある、と考えたほうが自然である。

        クジラ2

 そして、市場で扱う魚そのものの存在が危うい。
 勝川俊雄氏の「魚が食べられなくなる日」によると、日本では水産業の衰退が激しい。農業以上に、水産業は落ち込んでいる。日本の漁獲量は、1980年代の1200万トンをピークに、現在は年間400万トンで、さらに減少を続けている。そのぶん輸入が400万トンに増え、しかも多くは、重金汚染疑惑の中国からである。

 200海里の排他的経済水域が決められたこと、漁業従事者が減ってきたこと、中国や韓国の漁船が日本近海を荒らしまわっていることが原因である。勝川俊雄氏は、漁獲量が減った原因の多くは、日本漁船の乱獲にあるという。日本近海では、科学的な制限漁獲量を超えて、許容漁獲量が設定されている。獲りすぎて再生不可能になっても、まだ獲っている。ニシン、イワシ、クロマグロ、ウナギ、ズワイガニなど、つぎつぎと絶滅に近い魚が増えてくる。


 このような重大問題をそっちのけで、些細な盛り土やベンゼン濃度などで大騒ぎしていたのは、一体なんだったのか。まさにパーキンソンの凡俗法則を地で行っている。笑い話ですむことでない、と怒ってはいけない。
 「人生すべてはギャグ」なのである。
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