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自殺者数の不思議

 怪しげな統計をもとに施策を云々すると、大きな間違いを生ずる

 2017年版の自殺対策白書が閣議決定された。
 自殺者数は03年の3万4427人をピークに減少。2016年は2万1897人となり、22年ぶりに2万2000人を割った。それでも、2万人を超えている。10万人当たり19人で、これは、先進国の中では図抜けて多いという。ちなみに2015年に、アメリカは12人、フランス12.3人、中国でさえ7.8人しかいない。

 その代わり、日本での殺人事件はきわめて少ない。殺人事件は、2010年で383人、10万人当たり0.3人と世界で最も少ない。アメリカ4.7人、フランス1.2人、ドイツですら0.8人である。
 殺人を犯せば、その10倍も自殺者が減るという仮説も成り立つ。

       わらしべ

 しかし、この統計数字は何かおかしい。
 すべて統計データというものは、ひとつひとつを積みかさねたものである。その一つ一つが間違っていたら、全体の数字はまったく意味をなさなくなる。

 じつは日本には変死体が毎年15万体もある。この多く10万人程度が、他殺ではないかといわれている。そもそも、日本で自殺といわれているものも、多くは他殺かもしれない。

 人を殺すとき、犯行を隠そうとしたら、他殺には見せたくない。できるだけ自殺か事故に見せようとする。あるいは親族殺人の場合には、周囲も見て見ぬふりをする。孤独死で腐乱していれば、毒殺や絞殺、それに病死との違いなどわかるはずがない。たいてい病死でかたずけられる。警察の気が向いた時だけ、他殺とされ事件化される。つまり殺人といえど原則禁止だけで、あとは大目に見ている。如何にも日本らしい、柔軟性豊かな対応である。
 当たらずと言えど、遠からずであろう。
 もちろんこれは日本だけではない。とくに途上国の統計は信じられない。

 もっとも日本は、いくら自殺や他殺が多くても、死亡率は低く平均寿命は世界一長い。これ以上寿命を延ばすより、健康寿命を長くすることが重要なのではないか。
 怪しげな統計をもとに、施策を云々すると、なにか大きな間違いを生ずる。
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