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大学教育の無償化

 多額の借金をしてまで、行く価値のある大学はどれだけあるのか
 
 憲法改正に絡んで、高等教育(=大学)の無償化が俎板の上に乗っている。世論調査によると、4~50代の大学生を抱える年代では無償化に賛成、それ以上では反対の傾向が出ているという。 
 私が大学生のときは、年間授業料が6千円、毎月2万円の仕送りでやりくりしていた。初任給4万円の時代である。いまの授業料は年間54万円だから、やや高くなった。

 では、この無償化のために一体いくらかかるのか。
 国立大学の在籍者数は、およそ40万人。年間54万円を掛ければ、約2200億円である。50年前、国立大学入学定員は約7万人で、そのときの世代人数は260万人。いまは、世代人数が100万人に激減しているのに、入学定員は10万人と3割も増えている。 じつは、それ以上に私立がすごい。私立を含めると、じつに毎年60万人も大学に入学している。もし授業料無償化を私立大まで含めると、毎年約3兆7千億円が必要になるという。
 それでもお金ならいくらでもある。日本では毎年経常利益が増えたぶん、遣いきれないお金が山のように溜まっている。お金は遣うためにある。

      F-15J 飛翔 H28.10.1

 しかし、何にでも無尽蔵にお金を出していいわけがない。大学のように何をしているかわからないところには出すと、完璧なモラルハザードに陥る。

 なぜここまで進学率が高くなったのか。
 高等教育を受けるかどうかで、生涯賃金の上昇つまり個人的利益につながるからである。現実に高卒者にくらべ、大学・大学院卒者は、生涯所得が6~7000万円も多いという。これなら多少無理しても、大学へ入ろうとする。
 これを無償化では、不公平すぎる。またその分、社会に貢献しているのかと言えば、大いに疑問である。逆ではないか。

 したがって大学卒業者には、その何割かでも支払ってもらうことが合理的である。いわゆる出世払いである。所得が増えた6000万円のうち1000万円も出せば、ざっと毎年6兆円。それだけで大学が運営できる。
何のことはない、累進課税である。

 あるいは不公平にならないためには、全員入学である。
 そうなるとそもそも、これだけ多くの人が大学へ行く必要があるのか、となる。少なく見ても半分は、まともに勉強していない。さらに、大学職員の給料が高すぎるのではないか。問題はややこしい。間違いなく言えるのは、多額の金を遣ってまで、行く価値のある大学は、きわめて少ないということである。
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