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品質検査のむずかしさ

 検査だけで良し悪しの判断をすることには、大きな限界がある

 ものづくりの各工程では、必ず品質検査(チェック)を行う。不良品をつぎに送れば、損失被害は倍々で増えていく。
 その検査も、一筋縄ではいかない。ものづくりのもっとも悩ましいところである。 理想は、検査ですべて、悪いものを「悪い」、良いものを「良い」と判断することである。
 ただ検査では、しばしばつぎのような検査ミスが発生する。

 ①悪いものを、「良品」として通してしまう。
 ②いいものを「不良」と判断する。

 ①はよくないとしても、②については見過ごされがちである。会社にとって損失でも、お客には直接の影響がない。

      女王 H28.4.24
 
 これが医療の世界になると、どちらの間違いも、患者にとって大きな問題である。②の方がより悲惨かもしれない。検査の対象が「商品」ではなく、人間だからである。

①がんなのに、がんではないと判断する
 一般には、治療が遅れがんが進行して死に至る。がんもどきの場合は、治療しないほうがいいから、患者にとって有利である。

②がんでないのに、がんと判断する
 不必要な治療を施して患者が苦しむ。健康な胃や肝臓を切り取られてしまったという例は多い。知らずに治療された人は数えきれない。たいていこの事実は、闇から闇に葬られる。

     太っ腹

 だから医療検査を、あまり信頼してはいけない。
 たとえば甲状腺がんの検査を、原発事故の影響を比較するため、福島とそれ以外の地域でも行っていた。だが福島以外での検査は中止してしまった。

 なぜなら福島以外で、もし数千人に一人しか発生しないようながんを発見してしまったら大変である。必ず治療しなければならない。甲状腺がんは、がんそのものより治療による苦痛が大きい。それにたいていの場合、甲状腺がんは放っておいても問題ない。

 つまり、福島以外で甲状腺がんを診断するときは、『①がんなのに、がんではないと判断する』ことが多い。と考えるほうが自然である。逆に福島で検査する人は、福島で甲状腺がんが増えてもいいと思っている。したがって、『②がんでないのに、がんと判断する』可能性は大きい。人間が行う検査だから、多かれ少なかれ作為が入る。
 そのためどうしても、福島では甲状腺がんが増えた、という統計しか出てこない(それでも誤差の範囲ではあるが)。この場合、検査だけで良し悪しの判断をすることには、大きな限界がある。
 そもそも現代医療は、検査が病人を作るのである。
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