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ヤクザの効用

 やみくもに彼らを排除するだけでは、ヤクザ道をもとに戻すことはできない

 山口組がまた、新たな動きを見せている。神戸山口組が分裂し、新しい組織は「任俠団体山口組」という名称を発表した。「業界」の改善につながればいいのだが。

 北朝鮮には山口組のようなヤクザ組織はない。もっと怖い公権力が、隅々にまで目を光らせているからである。
 一方、日本のような自由社会でヤクザは、社会から排除された人たちの受け皿として機能していた。引受先がなければ、失うもののない彼らは、何をするかわからない。世の中には雑菌が必要である。雑菌がないと、赤痢菌やコレラ菌が増殖する。

 どんな組織にも、大義名分はある。企業なら経営理念、ヤクザなら「任侠道」、「男気」であろう。この大義名分がなければ、組織は継続しない。(私のように)個人では反社会的な言動を発していても、何らかの組織に属すると自ずと規範が生まれる。任侠道は、下層市民の武士道である。ISと異なり、ヤクザは筋の曲がったことはしない(と思いたい)。

            鬼

 もともと江戸~明治には、ヤクザは社会的に存在が認められていた。博徒と呼ばれるギャンブル胴元(公営ギャンブルより良心的)と、テキヤと呼ばれる興業やお祭で稼ぐ人たちであった。それぞれ「仁侠道」、「神農道」と呼ばれた。これらに加え、廃棄物事業、売春、地域防犯、荷役・建設作業員の口入れなど、適法ではあるが人がやりたがらない、汚れ役を行っていた。バブル期には、地上げや総会屋としても「活躍」していた。

 こうしたグレーゾーンの仕事をする人がいないと、世の中はうまくいかない。東北大震災の復興が進まないのは、ヤクザを排除したからだといわれる。また、犯罪の検挙率が半減したのは、ヤクザと警察のコミュニュケーションが無くなったからである。

 残念ながら、近年のヤクザは「本来の」筋道から外れてしまっている。ヤクザの行う合法的な仕事でさえ、暴対法、暴排条例という名目で排除しているからである。いまの日本は、ヤクザを暴力団とさげすみ、徹底して社会から消そうとしている。
 「雑菌」が消えた後、こんどはどんな悪魔が現われるであろうか。
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