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ものづくりは儲からない?⑤(6月16日)

 不良は利益を直撃するが、品質問題はすべての製造業者を悩ませている

 ものづくりで、担当者が最も頭を悩ますのが、品質問題である。品質以外のものづくりの要素、「納期」、「コスト」は、なんとか定量化(数字で示す)でき、きっちり計算できる。ところが「品質」は、はっきりと定量化できないので、非常にわかりにくい。極端に言えば、お客・ユーザーがいいと言えばいいのである。

 ところが、現実の商取引では、ものをつくっている本人が、直接お客・ユーザーに販売することは少ない。ユーザーと製造業者の間には、元請、卸、仲卸、小売りなどいろんな業者が入り込む。そうなると、ものをつくっている人は、その製品を直接納める人、たとえば卸業者の顔しか見えない。卸業者は仲卸、仲卸は小売業者の顔色を見て販売する。直接ユーザーの要求を聞ける立場にあるのは、小売業者だけである。
 そこで小売業者は、ユーザーの意を汲んで、やや厳しい品質基準を卸業者に要求する。卸業者は、さらに厳しい基準を製造業者に要求する。つまり、ユーザーとつくっている人の間が離れていればいるほど、製造業者は、より厳しい品質基準、場合によってはユーザー要求とかけ離れた品質特性を、一所懸命追いかけることになってしまうのだ。
 
 これを解消するには、つくる人とユーザーが直接取引するのが理想である。そうすれば、「伝達ゲーム」のようなミスマッチが少なくなり、お客の求めるものを、効率よく提供できるようになる。
 しかし、そこまで一気に持っていくことは難しい。ものづくりの現場では、現実的な対応をしなければならない。

 どうすればいいのか。
 一つには、今現在できる範囲で、できるだけ最終ユーザーの要求を把握することである。そのためのお客とのコミュニケーションが大切である。営業部門の最重要な役割は、じつはここにある。できた商品を売りつけることは、2の次、3の次でいい。

 つぎに、品質基準がなんとか明確になったら、それを社内に周知する。この基準を犯したら、「異常」ということである。そして、品質レベルが向上するかどうかは、いかに早くこの異常を発見し、是正・修正するかにかかっている。異常処理、原因追及、対策は、時間がたつほど困難になるからである(前回④を参照)。
 このスピードの重要性については、いくらでも強調したい。すべてのリスク管理に当てはまるからだ。

 優良なものづくり企業ほど、このための仕組みが整っている。

               (次回は関連事例の紹介)
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