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高齢者の飲酒運転

 メディアが大きく取り上げる事件は、ほんとの問題ではない

 高齢者運転での事故が、よくニュースになる。先日も90才のドライバーが、佐賀県鳥栖市にある中学校前の交差点で、信号待ちで止まっていたライトバンに追突し、女性2人に軽いけがを負わせたという事件があった。署員が調べたところ、呼気1リットル当たり0・25ミリグラムのアルコールを検出したそうだ。

 このような報道がつづくと、高齢者の運転は危険が高いと思う(もちろん飲酒運転も)。高速道路の逆走は日常茶飯事だし、交差点でモタモタしている高齢ドライバーを良く見かける。昨年10月に起こった認知症気味の高齢者が、小学1年生をはねた事故は悲惨であった。

     真横から見た赤い車

 しかし、ほんとに高齢者の事故は増えているのだろうか。
 警察庁が発表した「平成27年における交通事故の発生件数」によると、平成27年に起こった交通事故件数の、年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数は、以下のようであった(カッコ内は死亡事故件数)。件数そのものは10年前の約半分で、毎年緩やかに減少している。年代別の割合や順位は毎年ほぼ同じである。

 16~19才・・1800件(15件)
 20~29才・・1000件(5件)
 30~39才・・580件(4件)
 40~49才・・520件(4件)
 50~59才・・500件(4件)
 60~69才・・500件(4件)
 70~79才・・600件(5件)
 80才以上・・750件(13件)

 これをみると、「16~19才」が傑出して多く、それに続くのが「20~29才」。そのつぎが「80才以上」である。70代となると、他の年代とほとんど差はない。60~69才は、50~59才と同じで、事故率は最も少ない。

 それでも、死亡事故に限って言えば、80才以上が16~19才とならんで、10万人当たり13件とずば抜けて高い。その他の年代では、10万人当たり5件前後でそれほど変わらない。

 すなわち、データ=事実で見る限り、とりわけ高齢者が事故を起こすわけではない。むしろ、16~29才までの若者の方が、圧倒的に事故率が高い。
 したがって、メディアに高齢者の事故が頻繁に掲載されるのは、以前には高齢者の事故がほとんどなかったからであろう。そして保険会社が、われわれ団塊世代に対し、保険料値上げの口実に使うためではないか。メディアは、大口スポンサーを忖度しているのである。
 だからメディアが取り上げるような事件は、ほんとの問題を隠してしまう。

 それでも、80才以上の死亡事故が多いことはすこし問題である。若者のような、熟練による事故減少は望めないからだ。それに、反射神経が衰えているため、いったん事故が起こると大事になる。
 この年代に限っては免許返上、もしくは最近開発された事故防止乗用車の強制使用が必要である。今年から強化された認知機能検査も、80才以上に絞って重点的に行うべきである。天国(地獄)へのエスカレーターがあれば、もっといいのだが。

    飲酒運転 撲滅(ある居酒屋のメニュー)
 飲酒運転撲滅 H27.7.18

 もしここで、飲酒運転時の事故割合が算出できれば、面白いことがわかるかもしれない。飲酒者と素面運転者の事故比較である。もしかしたら飲酒運転の方が、事故率が少ないということは充分ありうる。飲酒運転する人は、事故を起こさないよう細心の注意を払うからである。
 ただ、この実態をつかむのはむずかしい。事故を起こさなかった飲酒運転者が、どれくらいいるか調べるのは不可能である。
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