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教育勅語と教育基本法

 教育勅語の否定は、日本国憲法や教育基本法に背くことになる

 森友学園騒動で、「教育勅語」がクローズアップされた。
 じつはこの「教育勅語」は、戦後すぐの1948年、国会の決議で公式に否定されている。天皇主体の軍国主義教育の柱で、憲法や教育基本法の理念に反するとしていた。多くのリベラルの人は嫌悪感を抱いており、関連の幼稚園で暗記させていることに反発している。

 その教育勅語は、いったいどういうことを述べているのか。
 原文は非常にわかりにくい。そこで国民道徳協会が簡潔に訳した、教育勅語の核心部である12の徳目を紹介しよう。

①親や先祖を大切にしましょう
②きょうだいは仲良くしましょう
③夫婦はいつも仲むつまじくしましょう
④友だちはお互いに信じあいましょう
⑤自分の言動をつつしみましょう
⑥広くすべての人に愛の手をさしのべましょう
⑦勉学にはげみ職業を身につけましょう
⑧知識を高め才能を伸ばしましょう
⑨人格の向上につとめましょう
⑩広く世の人々や社会のためにつくしましょう
⑪規則に従い社会の秩序を守りましょう
⑫正しい勇気を持って世のため国のためにつくしましょう

 これをみると、当たり前のことを言っているにすぎない。それに原文の、「一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ」は味がある。これに反対する人はへそ曲がりである。

      似非学者

 ではこの教育勅語は、いまの教育方針とどう違うのか。
 以下は、現代の教育基本法のなかの、第二条(教育の目標)である。

1.幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
2.個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
3.正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
4.生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
5.伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

 ほとんど同じように思える。少し詳しく見よう。

 教育勅語にあって、教育基本法にないもの
A-1 きょうだいは仲良くしましょう
A-2 夫婦はいつも仲むつまじくしましょう
A-3 友だちはお互いに信じあいましょう
A-4 自分の言動をつつしみましょう

 教育基本法にあって、教育勅語にないもの
B-1 豊かな情操と道徳心を養うこと
B-2 個人の価値を尊重
B-3 男女の平等
B-4 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する

 あまり変わらないように見える。「B-1豊かな情操と道徳心を養うこと」のように、むしろ教育基本法のほうが、戦前回帰みたいである。

      天空の白山 H28.5.28

 一つ大きく異なるのは、個人に関する考え方である。
 教育勅語では、「A-4 自分の言動をつつしみましょう」と言っているのに対し、教育基本法では、「B-2 個人の価値を尊重」することを推奨している。現代は、「つつしむ」のではなく「個人を主張する」のである。

 もちろんどちらも正しい。正しいが、どちらも過ぎると大変である。原理主義のように完全実行しようとすると問題が起こる。「つつしみ」が過ぎると独裁になり、「個人の主張」が過ぎるとエゴの集団になる。
 したがってものはほどほど。それこそ個人の性格に合わせ、いいところを参考にすればいい。それに教育勅語のほうが、すっきりしてわかりやすい。内容に関しては、なにも問題ない。

 また教育勅語を否定することは、日本国憲法(19条;思想及び良心の自由)や教育基本法(2条1;幅広い知識と教養を身に着けることを目標)に背く。現代史を学習するためにも、教育勅語の暗記をカリキュラムに取り入れる教育機関があっていいはずである。      血のションベン

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