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豊洲の安心は都民の民度

 科学的安全を信頼して文明を形成できるか否かが、人とサルとの大きな違いである

 東京都議会の百条委員会で、豊洲問題の追及が佳境を迎えている。東京ガスとの交渉経過や、仕様変更、そして土壌汚染対策費用だけでなく建設費用が何倍にも跳ね上がったことの経緯が明らかになるはずである。
 なかでも喫緊の大きな課題は、移転の可否を左右する安全基準の問題である。

 豊洲における最新の環境調査で、地下水から環境基準100倍のベンゼンや微量のシアンなどが検出された。たしかにこの数値では、飲み水としては不適切である(大量に飲まない限り死ぬことはないが)。できるだけ環境基準に近いほうが望ましいのは間違いない(もともと環境基準というのは、あり得ないくらい厳しい数値である)。

    たそがれのうば桜 H28.4.09

 しかし、土壌そのものは厳しい環境基準をクリアしている。地下水は、床下深いところにあり、さらに順次汲み上げて浄化したものを排水する(場内で使うことはない)。揮発するベンゼンの大気濃度は問題にならず、念のため濃度検出器も備えている。したがって建屋部分には全く影響がない(離れたところの環境基準100倍で驚いていたら、場内で殺菌消毒やトイレもできない)。専門家は豊洲安全に太鼓判を押している。

 つまり豊洲では、科学的な「安全」が確保されており、移転には何ら問題がないのである。
 もともとこの場所の地下水は、環境基準43000倍ものベンゼンが検出されていた。それでも問題ないのに、ゼロリスクを求めるポピュリズムに負け、安全基準を環境基準にまで上げてしまった経緯がある(これはまさに、放射線の安全基準を何の根拠もなく1㎜Sv/年にしてしまったこととそっくりである)。

 もとより世の中には、完璧なこと、ゼロリスクなどどこにもない。築地にしても、豊洲より「安全」だったわけではまったくない。最近になって、土壌汚染は築地の方がひどいという事実が暴露された。また築地の建屋は、耐震強度が低く地震が起これば多くの死人が出る。

 それに地下水脈は広範囲に広がっているため、環境基準100倍のベンゼンは、とうてい豊洲だけでは収まっていない(逆に豊洲が原因とは限らない)。これがダメなら、東京近辺の適地は無くなってしまう。すでに日本は、ほとんどの地域が何らかに汚染されている。知らないから「安心」しているだけに過ぎない。むしろ、きちんと数値管理された豊洲以上に安全なところはない。
 そもそも土壌汚染が問題になるのは、このように広く地下水が汚染されることであって、その土地の上が危険なことはほとんどない(東京都はこの汚染地下水まで、ほぼ浄化していたのには吃驚した。やりすぎかも)。

 これでもまだ小池知事が、豊洲への移転を決断できないのは、「安全ではあるが安心を担保できない」恐れがあるからであろう。「環境基準100倍の地下水」という意味のない言葉が一人歩きし、人々の安心を損なってしまう。無知或いは悪意を持つマスコミや「知識人」が、その不安を増幅するような発信をするのは目に見えている。
 つまり問題は風評だけである。

       人類の未来

 石原元都知事は百条委員会の中で、「安全を保証する科学を信頼できず、風評に負ける(安心できない)のは文明国の恥である」と述べていた。このことは、「反原発でサルになる」と書いた故吉本隆明氏の主張とそっくりである。

 すなわち、安全なのに安心できないのは人間を含めた霊長類の性であり、その感情を克服し文明を形成できるか否かが、人とサルとの大きな違いなのである。
         結城秀康の雄姿

 もっともこの騒動は、高尚な文明論などではないかもしれない。
 原発や沖縄と同じで、レベルの低いプロパガンダである可能性が大きい。すなわち、ゼロリスクを求めるサル的日本人を、どうでもいいささいな欠陥(必ず発生する)をあげつらうことで不安に陥れている。もちろんこれは、日本が経済発展することを阻止しようとする外国工作員の仕業である。
 それならまともな日本人は、工作員とサル相手の戦いに負けるわけにはいかない。負けたら日本はおしまいである。
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