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高齢者の葬儀

 超高齢で亡くなる唯一のメリットは、嘆き悲しむ人がいないことである
 
 いま葬儀から戻ったところである。
 親戚の99歳の老人が亡くなった。30年前のバイク自損事故で、子供の顔もわからないほどの認知症になり、数年前から施設で暮らしていた。頻繁に誤嚥から肺炎を発症していたという。
 15年前に連れ合いが亡くなり、長男夫婦が老人の面倒をみていた。それももう70代半ばである。エンドレスの「老々介護」が一区切りついたら、まもなく長男の介護をその息子がする。

 教員だったため経済的には恵まれていた。400万円?もの年金は、最後の数年すべて施設と病院につぎ込んだという。貯めておくよりはまし。退職後40年だから、働いた期間より長い。これでは年金制度などあっという間に破たんする。やっぱり人は60~70代で死ななければならない。 
 また、超高齢まで生きる決定的な不都合は、必ず「逆縁」が発生することである。世の中に、これ以上不幸なことはない。


 だから葬儀は、「孫の祭り」であった。久しぶりの親戚の集まりで笑い声が絶えない。人が超高齢まで生きるメリットを、一つだけ見つけた。亡くなった時、嘆き悲しむ人がほとんどいないことである。
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