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政府債務の行方

 政府が発行したお金は、閻魔様の懐にきちんと蓄えられている

 いまだに「識者」やメディアの間では、財政赤字が大問題であるかのような論説が絶えない。たとえば、一ツ橋大学院教授の斉藤誠氏が、昨年中央公論10月号で、「ヘリコプターマネーと異次元金融緩和の比較考」という論文を寄稿している。

 論文の半ばで、およそ次のようなことが記してあった。
 ≪1990年代半ばに、40兆円台で推移してきた民間貯蓄額(増加分)は、90年代末から減少傾向を示し、2012年度以降は40兆円を割り込んでいる。貯蓄を積み上げる若い人が減り、貯蓄を取り崩す高齢層が増えたからである。
一方で、政府債務は30兆円台から50兆円台へと確実に拡大している。その拡大ペースが、2011年以降、民間貯蓄総額を上回るようになってしまった。2011年度から2014年度までの期間では、政府債務が176兆円拡大したのに対し、民間貯蓄総額は150兆円しかない。≫

 今年度の予算も総額97兆円で、政府債務は50兆円近く増える。したがってこのままでは、いずれ破たんするといいたいのであろう。

         太っ腹

 しかし、お金は消えるわけではない。政府が使ったお金は、そのまま誰かの貯蓄になる。政府債務が貯蓄を上回るとしたら、その差額は、外国へ出て行くと考えるのが普通である。
 ところが、2011年度から4年間の経常収支は、それぞれ10.4兆円、4.7兆円、4.4兆円、3.8兆円といずれもプラスであった。震災影響で以前に比べると半分以下であるが、それでもこの4年間でさえ、23.3兆円も増えている。

 そのお金はどこに行ったのか。
 考えられるのは、①海外投資が増えた、②タンス預金が増えた、③金持ちが資産を海外へ持ち出した、のいずれかである。(その他にあるのか、私にはわからない)
 ①海外投資が増えたのなら、将来また経常収支をプラスにする。また、②タンス預金だろうが、③海外持ち出しだろうが、日本人の貯蓄には間違いない。つまり半永久的に塩漬けされる(それを遣ってくれれば誰かの所得が増える)。


 それに、「貯蓄を取り崩す高齢者」などは、増えていない。高齢者の多くは、潤沢に社会保障費の給付を受け、遣い切れなくて貯めこんでいる。年金支給総額55兆円のうち、半分はそのまま貯蓄されるだけである。三途の川の渡航代として、大事に取っておく。だから心配することはない。行方不明のお金は、閻魔様の懐にきちんと戻るようになっている。
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