FC2ブログ
RSS

失敗を許さない社会

 口先では「失敗を恐れるな」と言いながら、人が失敗すると潰しにかかるという醜悪

 フィギアスケート日本選手権(女子)は、予想通り宮原選手が優勝した。昨日の福井新聞記事スポーツ欄には、その報道とともに彼女のみごとな演技写真が掲載されていた。一方で、かっての「女王」であった浅田真央選手は、これまでで最低の12位に沈んでしまった。
 吃驚したのは、その浅田選手が失敗した瞬間の写真が、宮原選手の写真の下に堂々と載せられていたことである。

 新旧の世代交代を強調したかったのかもしれない。
 しかし浅田選手は、今の若手が誰も挑戦していないトリプルアクセルをしようとして、「失敗」したのである。これまでの実績や練習状態から決して無謀な挑戦ではない。しかも、かって日本フィギア界を席巻した女王である。そのみっともない瞬間を、衆目に晒していいものであろうか。もう少し惻隠の情、武士の情けというものが欲しかった。

     武士の横顔

 このことは、ほんの一例である。
 いまの日本は、失敗や過ちを犯してしまった人に対し、徹底して冷たい態度を取り続ける。一生立ち直ってほしくないごときである。芸能人の不倫や麻薬騒動、政治家の不規則発言など、挙げればきりがない。

 もんじゅ廃炉の経緯も納得がいかない。20年前にナトリウム漏れ事故があり、5名が亡くなった。その後再開するまでに10年以上経過している。やっと再開したと思ったら、構築物が炉内に落下するという、なんとも初歩的なミスで、塩漬けになってしまった。あとは、膨大な資料やペーパーとの格闘である。
 これら失敗の原因は、わかりすぎるほどわかっている。ほんとは、このような失敗をこの100倍しなければならなかった。もんじゅの廃炉は、失敗を許そうとしない世間に負けてしまったのである。

 口先では「失敗を恐れるな」と言いながら、人が失敗すると、よってたかって潰しにかかる。これが日本の現実である。


 日本はもっと失敗に寛容な社会であってあってほしい。
 つまり失敗を評価し、許容する姿勢がないと、誰も失敗しないような仕事しかしない。あるいは、徹底して隠そうとする。そうすると、その社会からは新しいものが生まれず、必ず衰退・消滅していってしまう。
 その失敗に寛容な社会というのは、日本人の多くが失ってしまった武士道の世界である。


 もう一つ重要なことがある。
 日本で民主主義が成熟するためには、この武士道が定着することが何よりも重要なのである。そうでなければ、民主主義はただのエゴのぶつかり合いになってしまう。沖縄や原発で揉めている人たちを見ればよくわかる。
スポンサーサイト



トラックバック
トラックバック送信先 :