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進化論と用不用説

 文明が発達し、人々が何もしなくなると人間社会は終わる

 ダーゥインの進化論に異を唱える人は大勢いる。
 その一人である杉晴夫氏(帝京大名誉教授)の「人類はなぜ短期間で進化できたのか」を読んだ。杉氏は、ダーゥイン進化論に疑問を持ち、生物の進化はラマルクの用不用説が正しいとしている。
 その著書の一部を、以下に抜粋する。

①地球に生命体が生まれたのは、40億年前。その中でいまの人類の誕生からまだ20万年しかたっていない。なぜ人類はこんなに早く進化できたのか。これは、ラマルクの用不用説でしか説明できない。

②ラマルクの用不用説は、「動物が一代で発達させた器官がその子孫に伝わる」というものである。

③その原理は、「生体がその生存を賭けて周囲の環境に適応しようとする結果が、神経系から内分泌系に伝わり、さらに内分泌系から生殖腺における精子、卵子の核酸の遺伝子や卵細胞の細胞質に影響を与えている」というもので、これは検証が可能である。すなわち、科学である。

③「キリンの首は一足飛びに長くなったのでなく、段階的に長くなったとすれば、進化の途中で中途半端に首の長いキリンは首が重くなっただけ生存に不利」という事実は、ダーゥインの進化論の矛盾である。

④「手の活動と脳の活動は互いにプラスの効果を及ぼす。つまり手の使用が脳の進化を著しく進化させる。」

⑤「人類が進化の結果築き上げた文明社会では、一人の傑出した人物が現われ、社会に長年鬱積していた感情に火をつけると、社会が激しく動き出す」


 たしかにダーゥインの進化論では、環境に適合した生体だけが、つぎつぎと現われる。都合のいい生体が、すこしづつ改良しながらつぎつぎ出現するのも不思議である。
 それでも、生まれた子の大半が死んで、生き残った突飛なものだけが生き延びてきたというのも、わからないわけではない。おそらく進化論と用不用説は、どちらかが絶対的に正しくて、反対側が間違っているというものではないと思う。

 ただ、人間の文明の発達と進化は違うと思う。人間社会になって急速に知能が発展してきたのは、単に使われなかった脳の一部を開発してきただけで、これは一代限りであってもおかしくない。急速に発達したものは、急激に衰える。
 世の中の人々が、ぶら下がりばかりになって何もしなくなると、人間社会の文明は終わる。
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