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紙一枚にまとめる

 いくつもの『福井モデル』が採用されれば、公的診断も大いに成果が上がる

 昨年11月に、中小企業診断協会シンポジウムの論文発表会で、わが福井県代表の川嶋氏が「中小企業庁長官賞」を受賞した。この賞は、当協会各県団体の企業支援に関して発表された中で、最優秀の取り組みに与えられる。

 題目は、「支援機関診断士チームによるハンズオン経営革新支援『福井モデル』の提供」である。これは、支援センター・商工会議所・商工会・中央会などの支援職員が、一体となって別企業を支援し、経営改善に結びつけたもの。これまで屋上に屋根を重ねた縦横割りの支援組織が、具体的な支援業務で協力体制を取ったことに意味があった。
 今後このモデルが活かされ、持続できるかどうかで、『福井モデル』になるかどうか決まる。

           突起物 モニュメント

 さて今年度も、同じ福井の加藤会員が、この「中小企業庁長官賞」に挑戦する。すでに、上位4件にエントリーされており、可能性は大きい。その題目は、「紙一枚にまとめる「経営革新支援」フレームワーク」だそうだ。続けての最高賞受賞を期待する。

 題目から推測するに、内容はたぶん、加藤氏が公的診断のときに不合理だと感じたことの裏返しであろう。すなわち多くの公的診断の最後に、当の中小企業に対し膨大な提案報告書を提出する。チマチマした数字の羅列や、教科書にあるような一般論の繰り返しで、多大なページ数を稼ぐ。みるだけで厭になる。

 これでは支援を受けた企業ではなく、それを依頼した支援機関や金融機関に報告しているようなものである。企業にわかりやすい簡便な報告書を書くと、「手抜き」とみなされる。そのため、長文で複雑な報告書を作成することに慣れてしまう。これでは見る方はたまらない。


 もともと民間企業では、社内の企画書やプレゼン資料など、簡素化が求められていた。トヨタでは、社内文書はすべてA4一枚に限定している。同じ組織内なら、定型フォーマットに短いセンテンスやキーワードを埋め込めば、意味は充分通じる。
 公歴診断においても、企業向けのわかりやすく簡潔な報告書が必要なのはわかっていた。

           壁をぶち破れ

 その場合でも、問題はある。
 公的診断では、不特定の小規模事業主を対象とする。同じ組織の人たちに対する説明と異なり、事業者はそのフォーマットや文体に慣れていない。そのままではわかりづらいので、文章を付け足す。A4一枚に細かい字がぎっしりと詰め込まれ、ますますわかりにくくなる。下手すると送り手の自己満足に陥りがちである(むかし中小企業診断士の試験や論文に、やたら図形や記号が盛り込まれたのと同じである)。
 さらに、いくらA4一枚にまとめたとしても、中身が無かったら意味がない。依頼された公的機関から、「手抜き」とみなされない工夫も必要である。

 (まだ内容を診ていないのだが、長官賞にエントリーされたということは)加藤氏は今回、これらの問題を解決したのだと思う。
 提案書の簡便さと中身の適切さを併せ持った、革新的な『フレームワーク』をどのように作り上げたのか。きっとこれまでとは異なる、我々を唸らせるようなやり方を開発したに違いない。楽しみである。この方法が普及すれば、文書作成能力の不足している人のツールとしても大いに活用できる。
 これら『福井モデル』が採用されれば、公的診断でも大いに成果が上がるであろう。
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