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最後の反原発論を排す

 反原発プロパガンダを振り回すのはこれで最後にしていただきたい

 福島第一の現場では、この台風の大雨で放射能を含んだ地下水が溢れ、大変な苦労を強いられている。その苦労をよそに、国民は怒りの声を政府や東電に向けている。また大方の国民の意向を受け、政府はもんじゅの開発を断念しようとしている。
 賢明だった日本国民も、原発問題になるとなぜここまで愚かになってしまうのか。放射能についての漠然とした不安に付け込まれてしまったのであろう。


 この反原発プロパガンダの急先鋒である小出裕章氏の、「小出裕章 最後の講演(原子力安全問題ゼミ)」という著書を読んだ。小出氏はこれまで、反原発関連の著作が多数あり、何冊読んでも、納得するものはなかった。もしかしたら、私が何か見逃していたのかもしれない。「最後の講演」というのだから、これまでの主な主張を集大成し、まとめてあるのだろうと思ったからである。

 彼の主張は、おおまかにつぎのようなものである。

①広島の原爆投下を例に挙げて、核の恐怖を訴えている。
②化石燃料が枯渇するという話はウソだった。むしろウラン燃料の方が残り少ない。
③100万kWの原発1基で、広島原爆100発分約1トンもの核分裂生成物が発生する。
④まだ福島第一原発事故は収束していない。
⑤3.11事故では、大気中に広島原発200個分のセシウムが放出された
⑥3.11事故では、放射線技師が制限されている「放射線管理区域」以上の、高濃度汚染地域が日本に発生している。
⑦これまでの原発稼働で、膨大な核のゴミが日本に溜まっている。
⑧原発政策は核兵器に結び付いている。
⑨政府の「大本営発表」である原発神話に騙されてはいけない。

 放射脳病患者にとって、病状を悪化させるにはもってこいの本である。だが、冷静に読むと突っ込みどころ満載の講演記述本であった。
 これで最後だというのだから、一つ一つ反論しよう。

         トリカブト満開 H28.8.19

①まず、原発は原爆ではない。広島原発で亡くなった人の、ほとんどは熱線と爆風である。たしかに、一定以上の放射線にさらされると危険であるが、それは熱湯が危険なのと同じである。

②たしかに理論的に化石燃料は、大気中の2酸化炭素が100%になるまでの分は埋蔵している。しかし、現実に大気中の2酸化炭素が0.1%になったら、地球温暖化は加速し、0.5%になったら、酸欠で呼吸困難になる人が続出する(現在は0.04%)。したがって化石燃料は、いくらたくさんあっても使えない。
 一方でウラン燃料は、酸素を使わず2酸化炭素を排出しない。高速増殖炉ができれば、現在の石炭埋蔵量を凌駕するエネルギーを出すことができる。日本のもんじゅ開発は、継続すれば必ず成功する。

③1トンの廃棄物といっても、体積にしたら旅行鞄ひとつ分である。集中して管理すれば、貴重な資源となる。原爆はわずかな量でも、拡散するから被害が大きくなる。
 それに、100万kW級石炭火力発電の場合は、年間およそ300万トンの石炭を燃やし、30万㌧の石炭灰が誕生する。日本ではセメントなどに再利用されているが、野放しになっている国も多い。灰は放射能が濃縮するから、場合によって20万ベクレル/トンにもなる。これが管理されず、環境中にばらまかれている。ほんとは、こっちの方が問題である。
 「散らかせばゴミ、集めれば資源」である。

④福島第一は、確実に収束に向けて進んでいる。無事故の原子炉でも、たたむのに10年以上かかる。無理難題を吹っかけてはいけない。

⑤広島原発200個分のセシウムは、大変な量であるが、いったん拡散したものはどうしようもない。それにこれくらい拡散しても、人体に影響はない。むしろ1945年以降、核保有国が起こした核実験は、大気圏内だけで440メガトンに及ぶ。これは広島原発3万発分にもなり、福島の事故など霞んでしまう。そのうえ海洋条約ができるまで、日本海や太平洋は、核のゴミを捨て放題だったのである。

⑥「放射線管理区域」の基準は、(防護業者利権のための)放射線防護のための目安であり、安全と危険の境界を示すものでは全くない。普通は、安全基準は10~100倍以上とってある。そもそもこれまで、短時間で大量放射線を浴びた人以外、放射線で亡くなった人はいない。いたとしてもその確率は、宝くじに当たるより低い。

⑦核のゴミは、ゴミではない。管理されていれば、貴重な資源である。まさに「集めれば資源」である。

⑧マキャベリの理論からいって、日本が核武装を放棄するなど言語道断である。世界情勢を見て、いつでも核武装できるだけの体制を整えておかないと、魑魅魍魎の跋扈する世界で生きていけない。チベットの坊さんみたいに「9条平和」のお経ばかり唱えていたらどうなるか。隣の国に反面教師がいる。

⑨われわれは何も、政府の発表した「大本営発表」の原発神話に騙され、原発推進を支持しているわけではない。むしろ現代の「大本営発表」は、小出氏のような反原発グループである。大学のような政府機関ですら、反原発に傾いている。「反原発利権」とポピュリズムに乗った反原発団体が、有象無象に活躍している。書店や図書館、マスコミ報道は、反原発一色である。その中でわれわれのような原発推進論者は、小さい顔をしていなければならない。

 こうやって見ていくと、小出氏の主張には何一つ正当性がない。
 だからもういい加減、反原発プロパガンダを振り回すのは止めてほしい。ほんとにこれで最後にしないと、世の中は大いに迷惑する。反原発は彼の利権や生きがいになっているのだろうが、想いは思いとして自分だけの胸に留めておくべきだ。日本と人類の未来のために。
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